【台風10号】接近前に各地で備えの動き リンゴ園や漁港では
台風10号の接近に備えて、被害を少しでも軽減しようと愛媛県内各地でさまざまな動きが進んでいます。 きょう午前、久万高原町のリンゴ園では…台風の接近を前にできるだけ多くの実を摘み取っておこうと、早生品種「つがる」の収穫が行われていました。 正岡観光りんご園 正岡成一さん: 「落ちる前にとっとこうかなと。やっぱ落ちてしもたら商品にならんけん」 こちらのリンゴ園では年間で14品種およそ6万5000個のリンゴを収穫しています。 正岡さん: 「1年間頑張ってきたのにぽろぽろ落ちて商品にならんかったら…」 きょうとあすの2日間でできるだけ多くのリンゴを収穫しようと作業を進めています。まだ収穫時期ではないリンゴは収穫せず、無事に台風が過ぎるのを待ちます。 正岡さん: 「大風が吹くとポロっと落ちるんですよ。リンゴがこういう風に簡単にもげますからね。あとは落ちないことを願うそれだけです」 きょうはテントやのぼり旗、受付の看板の片づけも行われました。
一方、こちらはコメ農家。稲は順調に成長していて台風の接近を前に収穫したいといいますが… 米農家: 「コンバイン濡れた米やと“わら”と“もみ”とに分けるんやけどそこが詰まるんですよ」 おとといの夕立や今朝の雨で稲の穂が濡れた状態のため、収穫できないまま台風の接近を迎えると言います。 加えて… 米農家: 「(風で)倒されて水の中につかるとお米から芽が出てくるそうなると価値無し」 そのため、降った雨が田んぼにたまらないようにして台風接近に備えます。 米農家: 「出荷できるお米にならんですね。極力倒れないように祈るしかないですね」
けさ、宇和島市の漁港では養殖マダイの出荷作業が行われていました。 マダイ養殖業 中田力夫さん: 「早めにね、台風でいかだを避難する前の出荷。早めにパパっと済ませて、沖に出ないけん」 出荷を終えて向かったのは、宇和島湾の養殖場。多くの漁船がいかだをロープで引っ張っていました。 中田さん: 「台風の避難やねえ」 Q.ここはカラになる? 「ほとんど、もう100%に近いくらいカラになる。この辺、すごい時には4メートルくらいの波になるから。逃がしてないといかだが壊れちゃうから」 いかだを高波などから守るため、波が穏やかな湾の内側に避難させます。その結果… 中武記者: 「入口では渋滞が起きているようです」 いかだを避難させる船が狭い湾内に殺到… 中田さん: 「これが曲がったら、俺こっちから突っ張るけん。こっち右に曲がりたいんよ」 中田さんのいかだも何とか無事に、避難することができました。 中田さん: 「ど真ん中っていう感じだから。大なり小なり被害というか風は吹くんやない、風と雨と。どっちにしても人事を尽くしたからもうあとは天命を待つ感じ」
西条市では…台風による大雨に備え、市内22箇所の排水路に32台の仮設用の水中ポンプを設置しました。設置されたポンプは、一番大きなもので1台あたり1分間におよそ16トンの水をくみ上げる能力があるということです。 西条市によると、仮設の水中ポンプの設置は今年に入って初めてで、台風が接近したら職員によるポンプの巡回や管理業者が水位を確認しながら作動させるということです。