ブレント原油、昨年10月以来の90ドル台-中東緊張で「未知への恐怖」
(ブルームバーグ): 中東の紛争が激化する兆しを見せる中、北海ブレント原油が昨年10月以来となる1バレル=90ドル台に値上がりした。
ロンドン市場の北海ブレント6月限は1.5%上昇し90.65ドルで4日の取引を終えた。イスラエルのネタニヤフ首相が安全保障に関する閣僚会議で、同国はイランとその代理勢力に対し行動すると発言し、ブレント原油は一時2.2%急騰した。
バイデン米大統領は4日に電話会談したネタニヤフ氏に対し、米国のイスラエル支援はパレスチナ自治区ガザでの民間人保護の新たな措置次第だと述べた。
イランが戦争に直接関与すれば、世界の原油供給に大きな支障を来す可能性がある。バイデン氏はガザの人道的状況を改善させるため、即時停戦を実施するようネタニヤフ氏に圧力をかけ、紛争を緩和し、封じ込めようとしている。
CIBCプライベート・ウェルスのシニアエネルギートレーダー、レベッカ・バビン氏は「発言がエスカレートしたような形でバイデン、ネタニヤフ両氏の電話会談が終わったことで、原油はさらなる地政学的リスクを織り込んでいる」と指摘し、「イスラエルがシリアのイラン大使館領事部を攻撃したとみられることに対するイランの反応を市場は想定しており、緊張が再び高まることを恐れている」と述べた。
同氏によれば、原油供給が直接影響を受ける可能性は低いが、「未知への恐怖」がトレーダーを警戒させている。
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原題:Brent Crude Hits $90 a Barrel as Middle East Tensions Escalate(抜粋)
--取材協力:Yongchang Chin、Alex Longley.
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Rob Verdonck