「中国株には投資しないの?」と問われた“投資の神様”バフェット氏の答えは 証券アナリストが現地で見たバークシャー「4万人株主総会」の注目ポイント
ジョークで締めくくられた総会
ちなみに、バークシャーが今後も日本株への投資を増やすかというと、私は必ずしもそうではないだろうと見ています。 なぜなら日本の商社は、バークシャー・ハザウェイという会社の事業形態が近いことがあり、投資がしやすかったという特殊な事情があったからです。それに、バークシャーの日本の商社株への投資が明らかになった時は、まだ日本株市場全体のバリュエーションも割安でした。 今は日経平均が大幅に上昇しており、当時の割安感はなくなっています。 バフェットさんは同社が「アメリカ志向」であると発言した際、 「次に大きな投資をする場合、それはアメリカ国内である可能性が極めて高い」 とも話していました。それも、バークシャーのフォーカスはやはり米国株に向いているのだと感じた理由の1つです。 実際、5月半ばに確認されたバークシャーの新しい大型投資案件は、アメリカ大手損害保険会社「チャブ」への70億ドルの投資でした。保険はバークシャーが50年以上行ってきた事業であり、十分に熟知したビジネスでもあります。 そうして、朝8時45分に始まった総会は、午後3時に終了しました。 バフェットさんは、非常に個性的なユーモアセンスのある方で、真面目な話の最中でも数分に1回はジョークが飛び出しますが、それも彼の魅力です。私を含め、多くのファンがいるのも頷けます。 今年94歳の誕生日を迎えるバフェットさんの総会での最後の言葉もまた、印象的でした。 「皆さん、今年も来てくれて本当にありがとう。皆さんが来年も来てくれることを願うだけでなく、自分も来年またここに来ることができればいいなと思っています」 彼の独特なジョークを皆で笑いながら、6時間に及ぶ総会は今年も無事に幕をおろしたのです。 もちろん、最後もスタンディングオベーションの中で終わったことは言うまでもありません。 岡元兵八郎 マネックス証券の専門役員。専門である外国株のチーフ・外国株コンサルタントのほか、マネックス・ユニバーシティ投資教育機関のシニアフェローも務める。元Citigroup/米ソロモンブラザーズ証券のマネージング・ディレクター。外国株に30年以上携わるプロフェッショナルで、関わった海外の株式市場は世界54カ国を数える。海外訪問国は80カ国を超える。米国株はもちろんのこと、新興国の株式事情にも精通している。ニックネームは「ハッチ」。Xアカウント名 @heihachiro888 デイリー新潮編集部
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