【陸上】20km競歩リオ、東京五輪代表・髙橋英輝が現役引退 「どのレースも自分にとっては忘れられない思い出」1万m競歩では世界最高記録も保持
6月21日、富士通は所属する競歩の髙橋英輝が20日付で引退したことを発表した。 髙橋は岩手県花巻市出身の31歳。小学校ではサッカー部、中学校ではソフトテニス部だったが、陸上の大会前になると特設された陸上部に所属し、長距離ランナーとして大会に出場した。 髙橋英輝のこれまでの実績をチェック 花巻北高入学後は陸上部に入部し、2年生から競歩を始めると、その年のインターハイ東北大会で4位、秋の新潟国体では5000m競歩で5位入賞を果たす。翌年にもインターハイ、国体ともに4位と結果を残した。 教員志望だったこともあり、地元の岩手大教育学部に進学。日本インカレや全日本競歩高畠大会でも活躍した。練習量を増やすと20km競歩にもチャレンジし、大学卒業直前の日本選手権では1時間18分03秒の日本記録(当時)で初優勝を果たしている。 15年4月に富士通に入社して以降は、日本のトップウォーカーとして数々の国際大会にも出場。五輪は16年リオ、21年東京と2大会連続で代表に選出され、世界選手権には15年北京大会から昨年のブダペスト大会まで5大会連続での出場を果たした。また、日本選手権では史上初の5連覇(15~19年)を含む6度の優勝を飾り、20年11月の順大記録会で出した10000m競歩37分25秒21は今も世界最高記録として残る。 髙橋は引退にあたり、「刺激を受けることの出来る環境にいられたことは、とても幸せな経験でした」とコメント。「猛暑中行われた真夜中のドーハ世界陸上や、土砂降りの中での日本選手権競歩大会など、たくさんあって語りきれませんが、どのレースも自分にとっては忘れられない思い出です」と綴るなか、東京五輪が最も深く記憶に残っているレースとして挙げた。 今後は地元・岩手に戻り、高校時代から志望していた教員への道に進むことも発表。「ゆくゆくは、自分にとって大切な存在となった陸上競技・競歩に関わり、次の世代の選手たちに、これまで自分がしてもらってきたことを返していければと考えています」とこれからの思いも明かした。
月陸編集部