「月28万円」の老人ホームに入居する仲良し夫婦だったが…「年金月17万円」77歳夫急逝で76歳妻号泣。老人ホーム費用払えず強制退去となった「まさかの遺族年金額」
高齢者の生活のベースとなる公的年金。それは、家を手放し、老人ホームに入居するようになったも同じ。毎月費用はまずは年金がベースとなり、足りない分は貯金を取り崩す……これがベースになります。だからこそ「年金減額」は避けたいところ。そんなことが起これば、慣れ親しんだホームを追われることになります。 ▼【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
老人ホーム…夫婦同室で同時入居のメリット
終活の一環で自宅を売却し、その資金を元手に、夫婦同室の老人ホームに入居した山本博さん(仮名・77歳)、節子(仮名・76歳)。子どもがいなかったため、自宅を売る/売らないの判断は夫婦だけで決められたといいます。 厚生労働省の資料によると、サ高住の平均費用は付14万0,241円。有料老人ホームでは18万9,982円。夫婦2人で老人ホームに入居する際、別々の部屋であれば当然費用は倍になりますが、夫婦同室であれば倍になることはありません。食費等は2人分ですが、室料や光熱費等は1.2倍程度で収まることが多いようです。 山本さん夫婦が入居した老人ホームでは、入居一時金は2,000万円、夫婦同室で月額費用は月28万円。共働き夫婦、月々の年金は博さん月17万円、節子さんは月16万円と、二人合わせて月33万円。年金の手取りでちょうど月額費用が賄える計算で、別途費用分だけ、貯蓄から取り崩していけばいいねと、老人ホームへの入居を決めたといいます。 ここで夫婦、最期まで一緒……そう思っていましたが、そう簡単にはいきません。ある暑さが厳しかった夏。博さんが亡くなります。いつものように居室のバルコニーに出て、ゆっくりとお茶を飲む……そんな朝のルーティンのなか、通常であれば30分ほどで戻った来る博さんでしたが、この日はいつまでたってもバルコニーから戻ってきませんでした。朝とはいえ、そろそろ外の気温は30度を超えるころ。心配した節子さんが見に行った時には、腰を掛けていた椅子で息絶えていたそうです。元々、心臓が弱かった博さん。「今年の酷暑は、博さんの心臓にはダメージでしたね」と医師。 突然のことに、葬儀ではただただ茫然としていた節子さん。落ち着いたころ、やっと亡き夫を思って号泣したといいます。