26市町村みやざき元気プロジェクト、今週は椎葉村ウィーク。「秘境」と呼ばれる椎葉村唯一の図書館、その魅力とは。 九州山地のほぼ中央に位置する椎葉村。人口およそ2200人の村に4年前にオープンしたのが交流拠点施設「Ｋａｔｅｒｉｅ」です。リモートワークができるブースや交流スペースなどを兼ね備えた施設の2階に村唯一の図書館があります。その名も「ぶん文Ｂｕｎ」です。 （椎葉村地域振興課・椎葉竜也さん） 「ニホンミツバチをコンセプトにしているので、こういった棚の分類も六角形の巣の形をしていたり、床もミツバチ仕様にしている」 ぶん文Ｂｕｎは、一般的な図書館とは異なり、おしゃべりが自由。隠れ家のように中に入って読書を楽しめるスペースやハンモックチェアを設置するなど、子供でも楽しめる工夫がちりばめられています。 （椎葉村地域振興課・椎葉竜也さん） 「ニホンミツバチは、養蜂の場合、巣を置いて気に入ってくれれば入る。外に一回出ても気に入った巣だったら戻ってくるという習性がある。ニホンミツバチのように、村外に出た後も「ここで働きたい」とか、この施設がきっかけで帰ってくる子供たちが増えると良いと思う」 およそ3万冊の本を所蔵する館内で目を引くのが、本棚の上に書かれた漢字。本棚ごとに漢字一文字が当てられていて、そのテーマに関連する本がジャンルを問わず並べられています。こうした個性あふれる図書館に魅了されて県外から村を訪れる人も…。 （ぶん文Ｂｕｎ司書・藤江開生さん） 「ひとつの本を見ていても上下左右に自分の考え方も広がっていくような形で本が飛び込んでくるというのが魅力。」 北海道札幌市出身の藤江開生さんは、去年4月、地域おこし協力隊として村に移住しました。転勤族の家庭で育ち各地を転々とする中で、地方で働くことに憧れていたといいます。 （ぶん文Ｂｕｎ司書・藤江開生さん） 「大学生の頃に図書館司書の勉強をしていて、図書館と地方で働けるというかけ合わせで探したときにこの椎葉村図書館を見つけて、普通ではないだろうと思いながら来たが、ここしかないという思いになった」 この図書館では現在、藤江さんを含め3人の地域おこし協力隊員が働いています。さらに、来月1日からは、この図書館がきっかけとなってはじまった「秘境の文筆家」プロジェクトでおよそ100人の応募の中から選ばれた4人が新たに作家として移住してくる予定だということです。 （ぶん文Ｂｕｎ司書・藤江開生さん） 「まだまだ成長できる余地がある。自分自身もこの図書館も、高みを目指せる環境だと思っているので来た。椎葉村を知っていただいている方は僕たちが思っている以上にまだまだ少ない。いざ来て、実際に過ごしてみたらものすごくいろんな魅力がある場所なので、そういうのをいろんな人たちに届くようにしていきたい」 椎葉村唯一の図書館には、巣箱に詰まったはちみつのように子供たちへの想いや司書の情熱が詰まっていました。