『違国日記』 新垣結衣主演、人は分かり合えなくてもいい?
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1187回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 【写真全14枚】新垣結衣、さらなる新境地を開拓 ほか 今回は、6月7日に公開された『違国日記』と『明日を綴る写真館』をご紹介します。
『違国日記』 初めて会った姪っ子との同居生活が始まった
ヤマシタトモコ による同名コミックを実写映画化した『違国日記』。不器用な生き方しかできない小説家と、素直で人懐っこい少女。年齢も性格も生きてきた環境も違うふたりが送る、いびつで奇妙な同居生活を軸に、大人の本音と10代の揺れる心情を描き出したヒューマンドラマです。 繊細な心理描写と丁寧なストーリーテリングで定評がある瀬田なつき監督が、登場人物たちにそっと寄り添うような優しい物語を完成させました。
『違国日記』のあらすじ
気ままなひとり暮らしを続けている、小説家の高代槙生。 姉夫婦が交通事故で亡くなったことをきっかけに、15歳の姪っ子・田汲朝を引き取ることに。姉のことが大嫌いだった槙生は朝とは面識がなかったものの、葬式の席で心ない言葉を放つ親戚たちに苛立ちを覚え、半ば勢いで決めてしまったのだった。 こうして、ふたりの奇妙な同居生活がスタート。家事が苦手でマイペース。そして、人見知り。そんな槙生の生態に、専業主婦で綺麗好きな母親に育てられた朝は興味津々。朝にとって槙生は、初めて見るタイプの大人だった。 何もかもが対照的なふたりの生活は、戸惑いの連続。それでも少しずつ、距離が近づいてはいたが……。
『違国日記』のみどころ
主人公・高代槙生を演じたのは、『正欲』で女優としての新たな一面を見せた新垣結衣。髪の毛を無造作にまとめ、パソコンに向かう。部屋は散らかり放題で、食事も適当。どこか“やさぐれ感”がある女性を自然体で体現し、さらなる新境地を開拓しています。 そして田汲朝役には、今後の活躍が注目されている早瀬憩。思春期の多感な少女を情感豊かに表現。フレッシュな魅力で観客を惹きつけます。 共演には夏帆、瀬戸康史、染谷将太、小宮山莉渚、伊礼姫奈、滝澤エリカ、中村優子、銀粉蝶など、実力派から期待の若手俳優までズラリ。 槙生と朝。ふたりの関係性はもちろんのこと、彼女たちを取り巻く人々の人間模様にも注目です。