置き去りの「議員定数削減」 臨時国会でも議論されず
「一票の格差」は深刻な状態
定数削減は、消費税率の引き上げの前に、政治が率先して「身を切る改革」を行うと国民に約束したものです。当然、国会議員はその約束を果たすべきですが、とはいえ、議員定数の削減だけが改革ではありません。各政党に配られる「政党助成金」を削減し、そのあり方を見直すなど、「身を切る改革」はほかにも方法があります。 なにより、現在の選挙制度ができてちょうど20年。総務省が8月末に発表した試算では、9選挙区で「1票の格差」が2倍以上となっており、再び格差が広がっていることが明らかになりました。また11月20日には昨年の衆院選の一票の格差について、最高裁が「違憲状態」との判断を示しました。有権者1人ひとりの「投票価値の平等」を守るためにも、もはや選挙制度の抜本改革は避けて通れません。ただし、この改革はずっと先送りにされてきた問題でもあります。選挙制度や議会はどうあるべきか。形だけの改革で済まさないように、まずはしっかりと議論し、改革の道筋を示すことが求められているのです。 (野中ツトム/清談社)