【速報】山健組組長・中田浩司被告に無罪判決 対立する暴力団員への銃撃事件 神戸地裁
5年前、神戸市で対立する暴力団の組員を銃撃し、殺害しようとした罪などに問われている暴力団組長の裁判員裁判で、神戸地裁は無罪判決を言い渡しました。(求刑は懲役20年) 判決が言い渡された瞬間、中田被告は静かに小さく頷きました。 暴力団・山健組の組長中田浩司被告(65)は2019年8月、神戸市中央区で、当時対立していた山口組系弘道会の組員を拳銃で6発撃ち、殺害しようとした殺人未遂などの罪に問われています。 これまでの裁判で検察は、「防犯カメラの映像から被告が犯人であると合理的に推認出来る」などとして、懲役20年を求刑していました。 一方弁護側は、「凶器や指紋などの証拠がない」などとして、無罪を主張していました。 神戸地検の松居徹郎次席検事は判決を受け「内容をよく検討し、上級庁とも協議のうえ適切に対応したい」、兵庫県警暴力団対策課の本田豊次席は「判決の詳細を承知していないので、警察としてコメントを差し控える」としています。 *** この事件、そもそもは2015年に井上邦雄山健組組長が山口組から離脱し、神戸山口組を結成したことに始まります。 離脱をきっかけに山口組系の組員らによる、神戸山口組関係者に対する報復行為が始まり、それに対し神戸山口組も応戦します。 抗争激化の大きなきっかけとなったのは今回判決を迎えた、2019年8月に起きた中田浩司被告の山口組組員襲撃事件です。 この時、中田被告は神戸山口組の中核組織の山健組組長でしたが、山健組は元々「山健にあらずんば山口にあらず」とまで表現されたこともある、山口組の中核組織です。 そんな離脱した元中核組織の、それも組長が自ら、いわゆる「ヒットマン」として行動を起こしたわけです。 中田被告の事件から2か月後の2019年10月、今度は山健組系組員2人が、週刊誌のカメラマンを装った山口組系組員に撃たれます。 この順番でいけば、次は神戸山口組が応戦する番ですが、撃たれたのはまたしても神戸山口組幹部でした。 ちなみにこの事件以降、暴力団関係の取材の際に報道陣が荷物チェックや金属探知機の検査を警察から受けることが多くなりました。 当時、警察幹部は「返し(報復)の数が合わない。これは警戒が必要だ」と話していました。 その結果、山口組と神戸山口組は抗争状態にあるとして2019年12月、特定抗争暴力団に指定され、2020年1月の官報告示をもって発効しました。
ABCテレビ