『グランメゾン・パリ』サン・セバスティアン国際映画祭に招待で鈴木京香が現地へ
木村拓哉主演最新作『グランメゾン・パリ』が、第72回サン・セバスティアン国際映画祭〈キュリナリー・シネマ部門〉に招待され、9月24日(現地時間)に世界最速となるスクリーニングを実施。本映画祭に初参加となる鈴木京香も現地へ駆けつけた。 【全ての画像】サン・セバスティアンを訪れた鈴木京香の写真 本作は、2019年にTBSで放送されたドラマ『グランメゾン東京』の劇場版。ドラマでは、全てを失った木村演じるフランス料理のシェフ・尾花が、鈴木京香演じる女性シェフ・倫子と出会うことでもう一度シェフとして生き直し、周囲と衝突しながらも日本で三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げようと奮闘する姿が描かれた。本作では、フランス・パリを舞台に再び三つ星に挑む。 サン・セバスティアン国際映画祭は、1953年から続いているスペイン最大の国際映画祭で、ヨーロッパにおいて、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭に次いで位置付けされている映画祭。また、サン・セバスティアンは“美食の街”としても有名で、キュリナリー・シネマ部門は、その美食と映画を結び付け、教育・科学・農業の分野で食品に関連するさまざまな活動を展開することを目的とした部門として、第57回から新設されている。バスク・キュリナリーセンターという、スペインのバスク地方にある世界トップレベルの料理大学と共同で開催され、映画関係者だけでなく、世界中の美食家からも注目を集める、本国際映画祭ならではの部門となっている。 まず行われたスクリーニングでは、サン・セバスティアンで愛される老舗の映画館Cines Principe(シネ・プリンシぺ)に集まった観客の前で、鈴木京香と伊與田英徳プロデューサー、そして、アカデミー賞で9部門を受賞したベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストエンペラー』を手がけ、大島渚や北野武、三池崇史といった日本人監督とも関係が深いジェレミー・トーマスによる作品のプレゼンテーションを実施。 冒頭に鈴木が「Kaixo!Ni Kyoka Suzuki naiz(こんにちは! 鈴木京香です)」と現地のバスク語で挨拶を行うと、会場から思わず歓声が。さらに鈴木が、この場に来られなかった木村拓哉の手紙を代読すると感嘆の声があがり、「いい映画を観ている時間と食事を楽しんでいる時間には共通点があると思っています。笑顔と喜びと新しい感動をくれることです。丹精込めて料理した映画が、皆さんのお口に合うことを願っています」と鈴木が話すと、会場からも「Si!(はい!)」の声が返ってくるなど、“美食の街”と“映画”の親和性を感じた時間となった。 その後スタートした上映では所々で笑いも起こるなど、会場中がスクリーンにくぎ付けになり、夢中になって映画『グランメゾン・パリ』を楽しみ、本編終了後には割れんばかりの拍手が会場を包み込んだ。帰り際、周りの観客から次々に感想を伝えられた鈴木は、終始嬉しそうに笑顔で対応し、会場をあとにした。 その後鈴木は、バスク・キュリナリーセンターへ移動し、キュリナリー・シネマ部門ならではのディナーにも参加。自身も料理が大好きと語る鈴木は、同席したゲストとも会話を楽しみながら、出される料理一品一品を丁寧に味わっていた。その後行われたQ&Aでは、MCによる代表質問で「この役を演じて大変だったことは?」と聞かれた鈴木が、「尾花夏樹というシェフを観客の皆さんと同じ気持ちで見守るような役だったので、シェフのことを尊敬して補佐するという気持ちが一番大事だと思っていました。TVドラマから続くキャスト・スタッフのチームワークもあったので尾花シェフのもとで一生懸命自分たちの腕を磨くことができました」と話し、本人からも役柄からも伝わる料理を愛する姿勢に、ディナー参加者も深く感銘を受けた様子だった。 最後にディナーに参加した一般客から「僕は何年も前から、このキュリナリー・シネマ部門に観客として参加しているけれど、今までにこの部門で観た映画の中でも最高だったと思います」という発言が出た際には、鈴木も言葉を噛み締めるように何度も頷き、現地の映画ファンと喜びを分かち合っていた。 さらに、今回初めてサン・セバスティアンを訪れた鈴木は、スクリーニングの前に各名所で撮影を敢行。まず訪れたのは、100店以上のバルが立ち並ぶ旧市街。平方メートルあたりのミシュランの星の数が世界で一番多い街として有名なサン・セバスティアンらしく、道の両脇にバルが並び、昼間からお酒を楽しむ人でにぎわっている通りを、鈴木も興味深そうに散策していた。 その中のひとつの店舗では実際に、スペイン・バスク地方ならではのお酒・チャコリ(微発泡ワイン)を片手に、ピンチョス(スライスしたバケットに具をのせたおつまみ)に舌鼓を打ち、サン・セバスティアンの醍醐味であるバル料理を満喫。 その後は、山の上に立つミラマール宮殿へ。ここからはサン・セバスティアンを代表する名所のラ・コンチャ海岸を見下ろすことができ、眼下に広がる青い海と青い空のコントラストに鈴木も「はじめて訪れましたが、お祭りのような感じで街全体に活気があって楽しいです。こんな風光明媚な場所で、映画『グランメゾン・パリ』を皆さんにお披露目できるのが本当に嬉しいです!」と嬉しさを滲ませていた。 映画祭前にサン・セバスティアンの魅力を満喫した鈴木は、いよいよ熱気あふれる会場近くへ。会場近くに敷かれたレッドカーペットでも記念撮影を行い、映画祭を楽しみに集まった多くの人たちの賑わいを肌で感じていた。 ■木村拓哉 メッセージ 世界的なパンデミックの中、飲食業界の方々が踏ん張って乗り越えたことに対するリスペクトを。 そして、作品の中に生きるキャラクターを通して夢をあきらめないプライド、愛する仲間がいる幸せ、それを味わっていただけたら幸いです。 <作品情報> 『グランメゾン・パリ』 2024年 冬公開予定