長野の「川中島の水」が2年連続でモンドセレクション最高金賞
長野県企業局が製造した「川中島の水」が、前年に続いて2017年のモンドセレクション最高金賞を受賞し、地元長野市などで「こんな身近に名水が」と話題になっています。営利企業ではない企業局は、受賞を受けて災害備蓄用や県関係のイベント用に2万本近く「増産」することを決め、「長野県の魅力発信のパワーの一つに」と意気込んでいます。 【写真】新潟と長野結ぶ「塩の道」歴史を感じ歩く 思わぬ「花見」も
もともとは災害備蓄用に製造
企業局によると、モンドセレクションは1961年、ブリュッセルに設立された消費生活製品の国際的な品質評価機関。各国の製品を独立した審査機関が調べ、4段階(最高金賞、金賞、銀賞、銅賞)の賞を与えます。受賞した製品は3年間、認証メダルを表示できます。 「川中島の水」は、企業局が運営する県営水道の水源としている長野市川中島町の井戸水。深さ約100メートルからくみ上げ、同市の川中島、更北地区の約2万4000世帯に供給しています。企業局が2016年にモンドセレクションに応募して金賞を獲得、2017年も応募したところビール、水、ソフトドリンク部門で最高金賞を連続受賞しました。
水質は、水素イオン指数(pH)7.0と中性で、100ミリリットル当たりナトリウム1.5ミリグラム、カルシウム2.7同、マグネシウム0.65同、カリウム0.33同を含む軟水。近くを流れる千曲川の伏流水なのか、遠くの山の雪解け水なのか調べても不明で、いっそう名水のロマンを感じさせています。 今回受賞したのは、昨年5月に製造したペットボトル(500ミリリットル)1万2000本分の水。企業局は「川中島の水」を災害備蓄用などに使っていますが、今回の受賞を機に6月までにさらに1万8000本を追加製造し、防災訓練や長野県PRのイベント用に提供する方針。 また、2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿への提供などで長野県の魅力発信をしたいとしています。
職員の間で「おいしい」と評判だった
企業局によると、川中島の井戸水の水道原水は以前から職員の間で「おいしい」と話題になっていたことが応募するきっかけになりました。前回初めて受賞した際は、受賞を知らせるメールが職場に届いたとき、英文の迷惑メールと勘違いした職員もいました。 長野県企業局は電気、水道の2事業を行っている公営企業です。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説