「安井さんに並びたいではなく、越えたい」ビキニ新勢力・廣中れな、絶対女王に挑み続けた2023年と未来の展望
――話は変わりますが、廣中選手はシングルマザーとなった30歳からボディメイクを始められて、2024年で4年目を迎えます。競技を始めてからの自身の変化については、どのように思われますか。 「ボディメイクに出会わなければ今の自分はいないと思います。今までピアノとか水泳とかも長く続けることはできましたけど、トップを目指すほどの情熱はなかったんです。会社を経営していた時も同じような感じで熱が入らなくて、『お前に何ができるんだ』と言われながら言い返せないことに悔しさも感じていました。何か一つ、熱い思いを持ってできるものがあればと思ってボディメイクを始めて、ここまでのめり込むことができました」 ――廣中選手にとって、熱量を注げるものがボディメイクだったんですね。 「はい。最初に挑戦するには勇気が必要だったんですけど、体が変わるごとに自信もついてきて、だんだんと『いろいろなことに挑戦してみよう』という決断ができてきたので、ボディメイクが私の人生を180度変えるきっかけになったと思います」 ――熱い思いでここまで走ってきたと思いますが、2024年のシーズンに向けての目標もお願いします。 「今も安井さんを越えたいと思っていますが、他人と比べることがすべてではないと最近思うようになりました。今年はとにかく自分のステップアップに焦点を当てて、少しでも上を目指したいですね。国内の大会でも順位を落とさないことが最低条件ではあるのですが、アーノルド・クラシック・ヨーロッパやIFBB世界選手権でもどこまでいけるかチャレンジしたいです。2024年の世界選手権は日本で開催されるということで、審査も並ぶ相手も雰囲気もまた変わってくると思います。いろいろな意味で新たな挑戦ですね。自分史上最高の状態で大会に臨めるように調整していきます」
廣中れな(ひろなか・れな) 1990年6月15日生、鳥取県出身。30歳からボディメイク競技を本格的にスタートさせ、2021年からJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の『オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス』ビキニフィットネス163cm超級に挑戦する。2022年にはビキニの絶対女王・安井友梨に次ぐ2位、2023年も連続で2位と女王に肉薄する活躍を見せている。
取材・文/森本雄大 写真/木村雄大