刑事畑を歩んだ埼玉県警の元署長が平穏願い彫った仏像…その腕前は弟子が付くほどに 故郷鹿児島で作品展
鹿児島市出身の義村幸さん(80)=埼玉県=が、同郷の弟子3人ともに仏像彫刻展を同市の黎明館で開いた。大学卒業後、埼玉県警に入職。主に殺人事件などを扱う刑事畑を歩み、2005年同県の蕨警察署長を最後に退職した経歴を持つ。 【写真】義村幸さん(中央)と弟子たちの仏像が並ぶ会場
在職中は事件に備え、休日も自宅待機を余儀なくされた。途切れない緊張を和らげるため、所沢市内にいる仏師に入門、無心になって彫刻刀を取る時間を得た。退職後は多い時に5カ所の教室で200人を超える生徒を指導した。 付き合いが10年以上続く弟子たちは、故郷での作品展を「晴れ舞台」と喜んだ。義村さんも「同級生が陳列を手伝ってくれた」と頰を緩ませる。警察官として担当管内の平穏を願って彫っていた時と違い、傘寿を迎えた今は、穏やかに生かされている日々に感謝しながら仏像に向き合う。
南日本新聞 | 鹿児島