「100万円分がタダ」につられて応募した「ダイエットコンテスト」の過酷な中身…ある日、突然涙がとまらなくなった
39歳の女性が陥った「ダイエットの沼」
夏を前に、ダイエットを始める方も多いだろうが一歩間違えると「危険な状態」に陥る場合がある。 【写真】16歳で「拒食症」になった女性の告白…私を追い詰めた「呪縛と執着」 特に炭水化物ダイエットに代表されるような、人間が体を維持するのに必要な栄養素を摂らない、また過剰な運動をするなど身体に大きな負担がかかる減量方法だと、場合によってはリバウンドしやすい体になったり、倦怠感によるうつ病の発症や拒食症にまで陥ってしまう場合もあるという。 厚生労働省では、総エネルギーのうち、炭水化物の摂取目標量をおよそ50%~65%と定めている。例えば40代前後の女性で、身体活動レベルが一般的な人の場合、1日で約2,050カロリーの摂取が必要とされているが、そのうち約1300キロカロリー前後が炭水化物で占めているイメージだ。 国際医療福祉大学医学部教授の奥仲哲弥氏は、<ダイエットの前提として、減量は1ヵ月に1.2キロのスローペースで行うことをおすすめします。 体重を1kg減らすには、およそ7000kcalの削減が必要とされています。つまり1か月で体重を1kg減らすには、7000kcal÷30日で、1日およそ230kcal減らす必要があります。これは毎日、6枚切りの食パン1.5枚分を減らす計算となります。> とNHKの『読むらじる』の記事の中で伝えている。 過剰なダイエットによる弊害は、リバウンドや生理不順、肌トラブルを引き起こすだけではなく、メンタル面にも大きく影響を与えるようだ。 都内在住のミホさん(仮名、39歳)は、ダイエットコンテストに応募したことをきっかけに「理想の体」に目覚め、コンテスト終了後もストイックな減量が欠かせなくなったという。 「出産後10キロ太ってしまいました。自己流で食事制限や運動をしても全然痩せないし、今まで着ていた洋服も入らない……、自分の体形を鏡で見るのが辛かったです。 脂肪吸引が頭をよぎりましたが、そんなお金はありません。誰かに何とかしてもらいたい、そう思った時に出会ったのが、大手美容サロンのダイエットコンテストでした」 ダイエットコンテストに出場すると、エステや食事指導が無料で受けられるというもの。金額にすると約100万円ものサービスだそうだ。 それぞれ目標体重を設定され、3カ月でどのくらい“キレイに”痩せたかを競うコンテストで、優勝者には100万円、入賞者でも10万円などの賞金が与えられるという。 書類選考通過後、オーディション会場へ向かったミホさん。会場にはビキニを着用した100人近い応募者がおり、太っていて悔しかったことやダイエットへの決意を語っていたそうだ。ダイエットサポートを受けられるのは半分の50人のみ。最終審査の脱落者の中には涙を流しながら会場を去る人もいたという。