〈石破“1ヶ月天下”の危機〉「自公過半数割れ」予測に永田町大激震…「ポスト石破」「連立拡大」最悪のケース想定で自民ドタバタ
裏金議員の追加公認、国民民主取り込み画策も…
最終盤に入り石破首相や党幹部は、19、20日に実施した情勢調査をもとに、野党候補と10ポイント差以内の選挙区を重点選挙区としてピックアップした。 「『自民王国』のはずが、安倍元首相の甥、岸信千世氏が立憲の平岡秀夫氏と激戦を繰り広げる山口2区、現職閣僚の坂井学国家公安委員長と立憲の山崎誠氏が競る神奈川5区、維新の地盤である大阪府内の全選挙区などが重点選挙区となったようです。 そして、10ポイント以上の差で負けている選挙区も多数ありますが、そういったところは『切り捨て』られた形です。最終盤は、野党候補と僅差で競り、勝てる可能性がある重点選挙区を中心に、石破首相や党幹部が応援に駆けつけます」(自民党関係者) そして早くも、自公が過半数割れした後を見据えた話も出てきている。 自公で過半数が取れなかった場合、非公認となっていた裏金議員の当選者も追加公認するとみられているが、現在、小選挙区で優勢なのは西村康稔元経産相や平沢勝栄元復興相など数人にとどまる。 そこで、連立拡大も視野に入ってくるという。 「21日夜には、19、20日に実施した自民党の情勢調査の結果をもとに、石破首相や森山裕幹事長、小泉進次郎選挙対策委員長らが今後の戦略を話し合いましたが、自公で過半数が取れなかった場合に備え、国民民主党を取り込む相談もしたようです」(自民党関係者)
早くも流れる“ポスト石破”の名前
ただ、全国紙政治部記者はこう解説する。 「国民民主党には国民・立憲の支持母体である連合の組織内議員もいるため、与党入りは簡単ではありません。 また、これまで自民と国民民主の間は麻生太郎最高顧問が取り持ってきました。石破首相と犬猿の仲の麻生氏が仲介役に入れるかというと、これも難しいです。 一方、同じく自民への協力が取りざたされる維新は、菅義偉副総裁と関係が近いですが、維新も党勢不振など課題が山積で、与党入りとなるとハレーションが大きく、できても部分的な政策ごとの協力くらいでしょう」 21日夜、石破首相ら党幹部の雰囲気は非常に暗く、石破政権が早くも行き詰まることを覚悟している様子だったという。 「石破首相が衆院選の勝敗ラインを『自公で過半数』と設定していた以上、その目標を割り込むと、石破首相の責任論が出るのは必至です。党内基盤が弱い石破首相だけに、史上最短の1ヶ月で退陣という可能性も現実味を増してきます。 党内では早くも『高市早苗氏は、近しい議員の落選が相次ぎそうだし、緊急で総裁選をやるなら党員票の割合も低いから、次は無理』『リリーフとして安定感のある林芳正官房長官では』など、ポスト石破に関する憶測が流れています」(同前) 自民党内では「最後に野党がゆるんで、負けを最小限にとどめられないか」と弱気な声も聞こえてくる。 「5度目の正直」でようやく首相の座についた石破首相は、「1ヶ月天下」で終わってしまうのか。有権者の下す審判の行方は……。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班