イスラエルは2日、レバノン南部で展開する親イラン派武装組織ヒズボラに対する地上作戦で、イスラエル軍兵士8人が死亡したと発表した。 ヒズボラは同日、レバノン南部でイスラエル軍と交戦していると発表。イスラエルがレバノンへの地上作戦を開始してから地上戦が報告されるのは初めて。 イスラエル軍は、レバノン南部で活動する兵士らの姿だとする映像を公開した。ロイターは、映像が撮影された場所や日付を独自に確認することはできなかった。同軍は、通常の歩兵部隊と装甲部隊がレバノンでの地上作戦に参加していると発表した。 前日にはイランがイスラエルに向けて大規模なミサイル攻撃を行っており、中東でさらなる紛争拡大への懸念が高まっている。イランは、イスラエルがさらなる挑発を行わなければ攻撃はこれで終了すると表明。だがイスラエルは、報復することを宣言している。 この日、イスラエルとレバノンの国境周辺では戦闘が続いた。南部サイダの避難所には、国境周辺から逃れた市民が集まっている。 避難した市民 「神の思し召しがあれば、（ヒズボラは）勝利するだろう。この土地は大切だ。我々に何ができるだろうか？今や血に染まっている。神が彼らに勝利を与えてくださいますように」 ヒズボラは、国境の町マルーン・エル・ラスでイスラエル軍と交戦したと発表。ほかの国境の町でもイスラエル軍を押し戻したとしている。 ヒズボラはさらに、イスラエル国内の軍事拠点にロケット弾を発射したと発表した。同組織の広報は、これらの戦闘は「第1ラウンド」に過ぎず、イスラエルを押し戻すのに十分な人員・武器・弾薬を保有していると述べた。 イスラエルのガラント国防相は2日に国境付近の部隊を訪問。イスラエルに危害を加える者は「代償を払うことになる」と述べた。 イスラエル軍は今回の侵攻は、主に国境のトンネルやその他のインフラを破壊することが目的だと説明している。また、首都ベイルートやレバノン南部の主要都市を標的とした、より大規模な作戦の計画はないともしている。 レバノン政府によると、ほぼ1年にわたる国境を越えた戦闘でレバノン側で約1900人が死亡、9000人以上が負傷した。死者の大半は過去2週間に発生している。また100万人以上の人々が自宅を追われ避難を余儀なくされた。