サツマイモ収穫量2年連続増 干し芋人気も背景に 作付け増産地も
2023年産のサツマイモの収穫量が前年比1%増の71万5800トンとなり、2年連続で増えたことが、農水省の統計調査で分かった。主産地の茨城県では、干し芋向けの需要が高まったことなどで作付けが増加。最大産地の鹿児島県ではサツマイモ基腐病の防除対策が進み、両県でそれぞれ収穫量は同3%増えた。 【画像】真夏も人気 冷やしたサツマイモパフェ 23年産は、6年ぶりに作付面積と収穫量の両方で全国調査を実施した。作付面積は同1%減の3万2000ヘクタールだった。 主産県で作付けが減る中、収穫量2位の茨城県は作付面積で7730ヘクタールと、同3%増えた。収穫量は同3%増の20万200トン。県は、冬が主流だった干し芋がコンビニなどで通年販売されるようになり、「需要が増えている」(産地振興課)とみる。品種は、ねっとりした食感が特徴の「べにはるか」が主流になってきている。 収穫量1位の鹿児島県は、サツマイモ基腐病の防除対策が進み、21万5400トンと同3%増えた。ただ、同病を確認する前の17年の収穫量(28万2000トン)には及ばない。作付面積は、サトウキビへの転換や獣害の影響で、同2%減の9790ヘクタールだった。 一方で、焼酎向けの生産が盛んな宮崎県(4位)の収穫量は6万8900トンで、同12%減った。同省は、酒類の多様化や酒離れで、焼酎用の作付けが減ったと分析する。 主産県以外で、サツマイモ生産を拡大する動きも目立つ。北海道は17年比で作付面積が4・3倍の100ヘクタール、収穫量は同4・5倍の1870トンと大幅に増えた。福島県を中心に東北地方も、作付けや収穫量を増やしている。
日本農業新聞