北陸 梅雨空戻る 台風3号による影響も 月末にかけて断続的に降る激しい雨に警戒
北陸地方は、北陸西部(三県)を中心に大雨となり、今日24日明け方の時間帯を中心に1時間の最大で七尾(石川)が36.0mm、立山芦峅(富山)が35.0mm、昼頃には門前(石川)で48.5mmの激しい雨を観測しました。一時は梅雨明けを思わせるような夏空の広がった日もありましたが、北陸地方の梅雨はまだ終わりません。台風3号の間接的な影響もあり、月末にかけて断続的に激しい雨が降り、梅雨明けの時期の見通しがたてにくくなってきました。低地の浸水・用水路などの急な増水・土砂災害等に十分注意・警戒して下さい。
当面は25日まで大雨に警戒 北陸の梅雨明けに水を差す台風3号
北陸地方では、25日夜遅くにかけて、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに注意・警戒してください。また、25日夜のはじめ頃にかけて落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。 台風3号は、今後大陸方面に進み、北陸地方を直撃することはない見込みです。ただその後は、台風起源の強い暖湿気の一部が大陸から延びる前線に取り込まれ、太平洋高気圧の縁に沿うように東進、7月30日頃にかけて新潟から北日本方面を再び指向する予想もあります。 現時点では北日本に近い新潟県の下越を中心に雨雲がかかる可能性が高い予想となっていますが、予想モデルの位置ズレなどで影響が南のエリアに広がることもありそうです。最新予報を確認するようにし下さい。
7月末にかけて新潟中心に雨量が増えるおそれ
台風3号の北上による間接的な影響もあり、北陸地方には湿った空気の流れ込みが続く見込みです。この先、晴れマークのある所でも福井・石川県の山地や富山県の山間部を中心に天気の急変による急な激しい雨や雷雨には注意が必要です。また、新潟県は太平洋高気圧の縁に位置し易く、海上からダイレクトに暖湿気の流入が続く見込みです。総雨量が多くなる可能性もあり、最新予報の入手に努めて下さい。
梅雨入りや梅雨明けの判断を難しくするもう一つの要因
気象の分野では、福井・石川・富山・新潟の4県は北陸地方として同一のエリアで扱われています。大雪や大雨の際に全国ネットの報道で「新潟最大〇〇センチ」「北陸最大〇〇センチ」等と分けて報道されるケースもあり、ややこしいですが、気象庁は、上記4県を北陸地方として同一のエリアで扱っています。また、時には福井・石川・富山を北陸西部(三県)、新潟を北陸東部と敢えて使い分ける場合もあります。 季節の歩みは、人間が線引きした地方単位で都合良く進むとは限りません。 日本地図を俯瞰すると、福井県の特に嶺南の立地はほとんど近畿(関西)で、言葉のイントネーションも同様です。また、新潟県の下越・新潟市は福島市より北、村上市は山形県米沢市より北に位置し、ほとんど東北と言っても過言ではない地理的な立地となっています。 このため、北陸4県を同一エリアで検討する際には難しい判断を迫られることもありそうです。もし仮に県単位で別々に梅雨入りや明けを検討する場合には、福井と新潟で異なる日にちになることもあるでしょう。ただ、ここで、梅雨入りや明けの速報発表をする目的の第一義は、あくまでも防災上の観点から、大雨や盛夏の季節に入ることを広く周知・日常生活への注意喚起をすることと考えられます。 季節は行きつ戻りつ、ある日を境に劇的に変わることはありません。梅雨入り・梅雨明けの日にち(速報値)だけにこだわり過ぎないことが大切と考えます。
日本気象協会 北陸支店 河原 毅