ロス郊外富裕都市の地盤流動 加州知事が非常事態を宣言
ランチョパロスベルデス、カリフォルニア州、9月6日 (AP) ― 米西海岸カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は9月3日、ロサンゼルスの南約40キロにある太平洋岸の町ランチョパロスベルデスに非常事態を宣言した。 太平洋を眼下に望む断崖絶壁の上に位置する富裕層が数この町の地盤が、数百年の間、ゆっくりだが移動と沈下を続けていた。 それが最近になって急激に速くなり、過去数年間は毎年20センチずつ地盤が沈下していたのに対し、7月から8月にかけては、場所によっては1週間に33センチも地盤が隆起した。 その結果、地滑りは海辺の邸宅を引き裂き、道路を陥没させ、火災の危険性を避けるために、電力会社は250軒近くの家庭への電力供給を停止した。市内のシービュー地区では、約60戸が1週間以上の停電となるが、ポーチュギースベンド地区では、140戸が無期限停電となる。 専門家によれば、この状況は過去2年間の集中豪雨がもたらした不幸な結末だという。 パロスベルデス半島は弱い岩石と粘土層で構成されているため、地下への排水がうまくいかないという。そのため、大雨が降り、地殻変動が激しくなると、断崖が滑り、一定のゆっくりとした動きの地滑りが起こる。 科学者によれば、ランチョパロスベルデスの地下は何百年も前から動いていたが、ほとんど安定していたという。それが、1950年代の道路建設プロジェクトで地滑りが加速するきっかけになり、今年初めと昨年の大雨のせいで、地滑りのペースが再び上がっている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)