MOBYのMLB取材ノート 「ベースボール・イン・ザ・UK~ロンドンで野球教室」
~イギリスの野球指導者向け野球教室に参加~
さて今回のイギリス滞在ではもう1日、正に野球漬けな時間を経験しました。1月27日(土)、リバプールから鉄道で2時間半、ロンドンに到着。そこから地下鉄に乗り換え30分、駅から徒歩で20分のところにある、室内野球施設「The 108」で開催された「Coach Summit 2024」に参加してきました。そこには人工芝の室内練習場、ブルペン2つ、バッティングセンターとしても使われているケージ4つを兼ね備える、非常に立派な野球施設です。MLBが設立に協力したとのことで、MLB30球団の垂れ幕も飾られています。
12時からイベントがスタート。参加者は50人前後でしょうか。開催に携わったプロデューサーの方が「昨年はWBCで歴史的な勝利を挙げることが出来た。この勢いにのって、次のWBCでの更なる飛躍、そして2028年のロサンゼルス・オリンピックに向けての第一歩となる重要なイベントである」ということを強調していました。それを経て、まずはイギリス代表コーチがゴロ処理の指導方法、ノックの打ち方、スウィングを指導する際の練習方法、トスやティー打撃の効果的な方法といった、野球指導に関するノウハウを訥々と指導していきます。参加者からの質問にも答えつつ、参加者同士でのディスカッションも熱心に繰り広げられていきました。
2コマ目は特別ゲストの登場です。なんとマイアミ・マーリンズ一塁コーチ、2011年にはセントルイス・カージナルスでワールドシリーズ制覇にも貢献したジョン・ジェイ!この日は2回登壇するとのことで、先ずは野球との関わり方について、自分の経験談を非常に流暢に話してくれました。そこでボクも質問。
MOBY:外野での守備率がMLB屈指の記録を誇るあなたが(通算1067試合出場で守備率.996)、感覚的に習得してきた守備に関する経験や技術を、どうやって選手たちに論理的に教えていますか?
ジェイ:ボクは自分の事を話すのは好きではない。そしてボクは才能のある選手でもなかったし、肩も良くなかった。最速の選手でもなかった。だからボクにとっては小さいことを全て完璧に、出来る限り上手くやるしかなかった。方法、プロセス、ルーティンを通じて、とにかく準備をすることを選手たちに伝えている。それをルーティンとして一貫性を持たせることの重要さを選手たちに説いている。コーチとしての役割は、選手たちが主体性を持てるようにすることだと思っている。難しいのは、それをどう理解してもらい、どう信じてもらうかということ。それを理解してもらうと、より流動的になり、良い方向に向かうと思う。