4連覇狙うオリックスがリーグ5位に低迷する大きな理由 中嶋監督の苦悩を深める2つのポイントとは?
リーグ4連覇&日本一奪還を狙うオリックスは現在5位と苦戦が続く。大きな理由は、故障者などの離脱続出だ。中嶋監督は昨オフから先発4本柱想定をしていたが、宮城が左大胸筋の筋損傷、山下が不振と計算外の事態に見舞われた。さらに今月は主に4番を打つ森が右大腿(だいたい)二頭筋の筋損傷で戦線離脱。得点力不足の課題もあり、指揮官も頭を悩ませる日々だ。 【写真】空振り三振の杉本 がっくり肩を落として意気消沈 昨季までも中心選手が戦線離脱することはあったが、ここまで相次いだことはなかった。中嶋監督も「なかなか終わらない。毎日、昼くらいにトレーナーから(故障の)電話がかかってくるたびに嫌になる」と悩みが尽きない。 山本がドジャース、山崎が日本ハムへ移籍したことで昨オフから宮城、山下、田嶋、東の先発4本柱構想があった。オープン戦中に一時撤回するコメントはあったが、4投手が中心に先発ローテで回ると思われた。 ところが、開幕ローテ入りした昨季の新人王右腕・山下は状態が上がらず2軍再調整となり、開幕投手の宮城は5月中旬に左大胸筋の筋損傷で出場選手登録を抹消された。勝ち頭のエスピノーザや東、田嶋、カスティーヨが奮闘しているが、2人が抜けた穴は完全にカバーできていない。 守護神の平野佳も救援失敗する試合があり、右肘の張りで2軍再調整となった。昨季フル回転した山崎や宇田川、阿部、小木田ら救援陣もリハビリや不振などで現在は舞洲で練習を続けている。 2つ目のポイントは打線。今季はここまで8度の完封負けを喫するなど活性化しているとはいえない。53試合中12試合が1点差で敗れている。2日・中日戦(京セラ)では10安打11残塁で敗戦。同戦のように安打は出ても、あと1本が出ない展開が続いている。1日には主軸の森が右大腿二頭筋の筋損傷の診断を受けて離脱。チームにとっては弱り目にたたり目となった。 投手陣と違って野手陣は昨季とほぼ同じメンバーで、広島からFAで西川を獲得するなど層はむしろ厚くなった。しかし、春先は森や頓宮、杉本、西川らの状態が上がらず。福田、西野が多く出塁し、セデーニョが得点する試合はあったものの、打線が線として機能する試合は少なかった。 効率良く得点を重ねる試合がスポット的にはあるが、持続しないことが課題。投手陣の奮闘むなしく敗れた試合もあり「かみ合わないですよね」と指揮官も苦悩を深める。5月月間打率・299と調子を上げていた森の不在がどう影響するか。 状態の上がってきた選手が多いのも事実だ。紅林や太田は5月の月間打率が3割を超え、交流戦から頓宮や西川、宗にも当たりが出てきた。上がり目の要素はある。あとは、どこまで打線が束になって攻撃できるか。機能していけば、確実にチームの流れは変わる。(デイリースポーツ・関谷文哉)