介護者に宿泊休息提供 惠泉マリア奉仕会 在宅医療を支える/兵庫・丹波市
兵庫県丹波市内で訪問看護サービスを無償提供する教会「日本キリスト召団」(北海道余市町)が、JR黒井駅前(同市春日町黒井)で新たに「惠泉レスパイトケアハウス」を建設、サービス提供を始めた。家族介護の負担を軽減しようというもので、家事などを同施設管理人が担い、介護者に休んでもらう。利用は訪問看護利用者とその介護者に限る。利用は無料。 木造平屋建て。利用者の部屋(10畳)と家族の部屋(8畳)を2室提供。ミニキッチン、車いす対応トイレ、浴室もある。食事や掃除、介護の手伝いは管理人が担う。看護が必要な場合は、「惠泉マリア奉仕会」(同市氷上町石生)が訪問し、対応する。最長5泊6日利用できる。日曜休み。
2017年に「惠泉訪問看護ステーション」を開業。保険制度の枠内に捉われない医療福祉事業を、と22年10月から同奉仕会が無償で訪問看護を提供している。現在15人が利用している。 介護保険は、ショートステイ、施設入所とも、介護者と家族を分離するが、同奉仕会は家族の関わりを大切に考えている。訪問する中で、老老介護で疲弊する家族を見るにつけ、介護者が休める場所を設けることの重要性を感じた。 同奉仕会の看護師、加藤久美子さんは「新しい形の在宅介護支援。こういう場所があることを知ってもらい、いざとなればあそこで休もう、という心のゆとりにつながれば」と話している。 同奉仕会は、看護師6人で土・日曜を除く平日日中、訪問看護を提供している。保険制度を利用しないため、療養上の世話のほか、家の周りの草刈り、簡単な大工仕事なども提供している。