我が子がLGBTQ+当事者の場合、親はどうすべき? 日本初トランスジェンダー大学教員の三橋順子さんが教える最適解
日本初のトランスジェンダーの大学教員で、トランスジェンダー研究者の三橋順子さんがLEEwebに登場! 三橋さんが10年以上続けてきた明治大学での講義が『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版)として書籍化されました。日本社会を取り巻くジェンダー・セクシュアリティにまつわる諸事情や、今更人に聞けないLGBTQ+についての基礎知識等がこの一冊でわかります。LEEweb読者の皆さんにとっても他人事ではないジェンダー・セクシュアリティの最前線について、三橋さんにお話を聞きました。 ●三橋順子(みつはし・じゅんこ) 1955 年、埼玉県秩父市生まれ、Trans-woman。性社会文化史研究者。明治大学文学部非常勤講師。専門はジェンダー&セクシュアリティの歴史研究、とりわけ、性別越境、買売春(「赤線」)など。著書に『女装と日本人』(講談社現代新書、2008 年)、『新宿「性なる街」の歴史地理』(朝日選書、2018年)、『歴史の中の多様な「性」―日本とアジア 変幻するセクシュアリティ』(岩波書店、2022 年)がある。主な論文に「LGBT と法律 ―日本における性別移行法をめぐる諸問題―」(『LGBT をめぐる法と社会』日本加除出版、2019 年)、「「LGBT」史研究と史資料」(『ジェンダー分析で学ぶ 女性史入門』岩波書店、2021 年)など。
私の授業はLGBTQ+ではない、性的マジョリティの学生さんが数多く受講するジェンダー・セクシュアリティ論。学生さんに「自分事」と捉えてほしい
『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』は、明治大学文学部の『ジェンダー論』の講義録が元になっているだけあって、まるで大学生に戻って講義を受けているかのように読み進められました。毎年300人以上の学生が受講する人気講義だそうですね。 三橋順子さん(以下三橋):コロナ禍の2020年度に対面講義ができなくなり、オンラインで、講義の内容を文章化して、大学のサイトにアップしたものが元になっています。各章の最後に掲載したQ&Aも全て、実際に講義で学生さんから出た質問なんですよ。2000年からトランスジェンダー教員として大学の教壇に立っていますが、2008年頃から「中学時代のボーイッシュな女の子の同級生が、成人式にスーツを着た男性の姿になって来た」「バイト先の先輩にゲイの方がいる」「身近にいるLGBTQ+の当事者についてもっとよく理解したい」といった受講動機の学生さんが増えてきましたね。