不起訴になった「安倍派幹部7人」が政倫審で説明することで幕引きか
不起訴になった安倍派幹部7人が政倫審の場で説明することで幕引きか
新行)実際はどうなのでしょうか? 須田)その辺りの政治決着については、与野党の国会対策委員会が進めているのだと思います。野党・立憲民主党の安住国対委員長と森山総務会長は、非常に強い信頼関係があるのです。前国対委員長・高木毅さんは、5人衆のうちの1人で安倍派の幹部ですが、この方に対して安住さんは「高木さんは相手にしない。私が相手にするのは森山さんだけだ」と言うほどの信頼関係です。 新行)そうなのですね。 須田)つまり党内での決着のつけ方と、国会での決着のつけ方が連動しているのです。その辺りのバランスを取りながら、森山さんが安住さんと水面下で交渉し、どこで決着を図っていくのか。不起訴になった7人に政倫審の場で説明してもらうことが、1つの幕引きのポイントだと思います。
献金の金額で線引きをするべき
新行)連座制を導入するのか、あるいは政治資金パーティー自体を何とかするのか。 須田)政治資金パーティーについては、自民党内でも「派閥が主催する政治資金パーティーは禁止」という方針ですから、政治資金パーティー自体も禁止されていくでしょう。しかし、また抜け穴を探していくかも知れません。「企業・団体献金は禁止」という流れがあり、その抜け穴として政治資金パーティーが使われているわけです。 新行)献金禁止の抜け穴として。 須田)政治資金パーティーを「やる・やらない」ではなく、「企業・団体献金をどうするのか」を考え、抜け穴をすべて塞がなければダメだと思います。企業・団体献金を禁止するのはいいですが、5万円や10万円程度の企業・団体献金では、そこに対して便宜を図ることはありません。つまり、問題は金額なのです。個人でも1億円出したとなれば、その個人に対して便宜を図るようになりますよね。ですから金額で線引きすべきです。あとは企業・団体献金だろうが個人だろうが、「どうぞ」という形にすればいい。それで不都合が起こるかどうかだと思います。 新行)各党、政治資金規正法の改正をどうするのかなど、いろいろな部分が出ていると思います。例えば政策活動費をどう使うか「明確に(金額を)出した方がいいのではないか」という意見と、「そこまでは」という意見がありますよね。 須田)政治的な意図があると思います。政策活動費を「1円単位に至るまですべて透明化しろ」というのが立憲民主党の主張です。今回の件だと、神戸学院大学の上脇教授が裏金問題について刑事告発していますが、上脇さんは専ら与党・自民党の政治資金収支報告書を徹底的に分析し、何か問題があるとすぐ刑事告発する方です。上脇さんが行うことの善し悪しはさておき、共産党と連携しているので、この動きは与党に限った話なのです。立憲民主党などの方向には向かないという状況にあり、ましてや共産党の方にはまったく向かない。「1円まで全部出せ」という主張や、共産党が要求するように「ネット上ですべて公表しろ」という意見がいいのかどうか。それを考えなければいけないと思います。