不起訴になった「安倍派幹部7人」が政倫審で説明することで幕引きか
ジャーナリストの須田慎一郎が2月5日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受け、自民党が関係議員の出席に応じる方向で検討に入った政治倫理審査会について解説した。 【写真】安倍派最後の総会 45年の歴史に幕
自民党派閥の政治資金規正法違反事件、自民党が関係議員の政治倫理審査会への出席を検討
自民党は2月4日、派閥の政治資金規正法違反事件を受け、野党が求める関係議員の政治倫理審査会への出席について応じる方向で検討に入った。自民党の浜田国対委員長は4日のNHKの番組で「審査会を使って真摯に説明責任を果たしていければと考えている」と話した。 新行)国会の政治倫理審査会は政治倫理の確立のため、議員が行為規範やその他の法令の規定に著しく違反し、政治的道義的に責任があるかどうかを審査して、適当な勧告を行う機関です。野党側は今回の事件で関係議員の出席を求めていました。
自民党内で安倍派議員から聴取
須田)「政治資金規正法違反事件」と長い名前がついていますが、一言で言えば裏金事件です。この幕引きをどう図るのか。捜査としては、最終的に東京地検特捜部・検察が判断したように、注目されていた安倍派の7人の国会議員……「5人衆」に加えて塩谷座長、そして下村博文・元共同代表。この7人は不起訴処分になりました。 新行)そうですね。 須田)のちに検察審査会に送られることにはなりますが、事件の捜査としてはほぼ幕引きです。政治的にはどう決着をつけるのかという話ですが、現在、自民党のなかでは森山裕総務会長を座長とする体制で調査チームを編成し、聞き取り調査を行っている最中です。
政治倫理審査会での説明責任と裏金議員の金額ランキングリストの提出が野党の要求
須田)野党が求めていることは2つあります。まずは野党からの質問を受けて、きちんと説明することです。その説明責任を果たす場が、政治倫理審査会での答弁になります。ただ、全員がその場に出てくると膨大な時間になるので、もう1つの要求、裏金があった議員のリストをつくって「誰にいくらの裏金の還流があったのか提出しなさい」と。現在はこの2つの要求を突きつけている状況です。 新行)なるほど。 須田)自民党としては、どこに着地させるのか。一時期、茂木幹事長が暴走して「安倍派の幹部は離党しろ」という話もありましたが、「それでは党内が持たない、やりすぎだろう」と批判する声があり、茂木さんはその任には当たらない方向になりました。代わりに、自民党の議員のなかでも信頼がおける森山総務会長がチームのトップについて聞き取り調査を行い、決着に向け進めています。自民党的なけじめのつけ方としては、「1年間の役職就任停止」が着地点なのかなと思います。野党が納得する形だと、やはり政倫審になると思います。ここに誰が出てくるのかと言うと、少なくとも検察が不起訴という判断を下した7人が出てくるのが最低ラインだと思います。