【京都の朝ごはんの新定番】寝起きの体に染み渡る。タイの蒸しスープ専門店で特別な朝食を
京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければこの人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。今月は地元・京都人もわざわざ早起きして訪れる朝食の新アドレスを紹介。 【写真】蒸しスープ、ちまき、花巻などが朝8時からいただける
烏丸鞍馬口「TOM」
国内外からツーリストが訪れ、有名観光地は、朝早くから大賑わい。おのずと朝食需要も増え、朝食を出す店も増加中だ。 2023年9月にオープンした「TOM」も、朝と昼のみ営業しているタイの蒸しスープ専門店だ。昨年の春頃、「目黒にある『タイ料理 みもっと』が京都にできるんでしょ」と、東京に住むフーディーの友人が教えてくれた。 その言葉通り、2023年5月、京都に「タイ料理 みもっと」の新店「MOT」がオープンした。オーナーシェフのみもっとさんは、東京と京都を行ったり来たりし、自身が京都にいる日曜と月曜のみ店を開くスタイルを取っている。そのため、店主不在の5日間を使い、「TOM」としての営業を始めたそう。 【写真】好きなスープと中華ちまき、本日のお茶が付いたBセット¥1750~。黒豆の花巻¥300
【写真】スープは、注文を受けてから器ごと蒸し上げ、提供される 日本の旬を取り入れたイノベーティブなタイ料理をコースで提供する「MOT」とはまったく趣向を変え、「TOM」では、バンコクの蒸しスープの店をオマージュ。 「京都は朝ごはんの文化が浸透している街。私の大好きなタイの蒸しスープを知ってもらうのにもぴったりだと思いました」と、みもっとさん。 定番の「チキンの薬膳スープ」は、蒸し仕上げることで、にごりのない、澄んだスープをキープ。ロンガンや淮山(乾燥山芋)、クコの実など、薬膳素材も入っていて、寝起きの体に染み渡る滋味深い味わいだ。 蒸しスープのほか、サイドメニューには、”蒸し”つながりで、中国の蒸しパン・花巻や中華肉ちまきも楽しめる。
店は、路地裏にあり、ブロック塀に囲まれたグリーンの扉が目印。大正時代の古民家を改装し、元々勝手口だった入り口から店内に入ると、朽ちた壁とイエローの壁のコントラストが目を引くモダンな空間に。「MOT」の営業時と同じく、カウンター6席のみと、座席に限りあり、特別感も高まる。 京都駅から地下鉄で11分。「鞍馬口」駅から徒歩1分の場所にあり、新幹線で京都駅に降りたって直行する人や、帰路につく前に立ち寄る人も。 トラディショナルな京都らしさはないが、営業スタイルや空間、メニューも個性的で、心ひかれる店だ。 烏丸鞍馬口「TOM」 住所:京都市上京区上御霊前通烏丸東入ル上御霊前町409-2 営業時間:8:00~14:00LO 定休日:日曜・月曜 TEL. なし ※支払いはクレジットカードまたは電子決済のみ TEXT BY JUNKO AMANO 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント