奇跡の神回…菜々緒”鷹野”の主人公としての強さを再認識したワケ。ドラマ『無能の鷹』第6話考察レビュー
異なるテーマをひとつの回に凝縮した神回
鷹野を見ていると、いつでも喋りだすことに躊躇がないことに気がつく。普通、無能であったらあたふたしてしまったり、喋っても要領を得ていなかったりするものだが、常に堂々としている鷹野にそういったことは無縁だ。 リモート会議で急に相手と向き合っても、就活生から質問が来ても、決して慌てることなく、しっかりと言葉を紡いでいく。そこに菜々緒の凛とした表情と振る舞いが加わると、確かに当事者だったら丸め込まれてしまうかもしれない。そんな鷹野だから見ていても面白いわけだが、ビジネスマンとして学びたい側面もある。 6話に登場した「リモートワーク」、「サンキューポイント」、「就活生の会社訪問」など、原作ではそれぞれ別の回だが、ドラマではひとつの回として帰結。鶸田にノリツッコミをしたり、「サンキューポイントの不正取引はやめろ」と声を荒げる鳩山(井浦新)のコメディリリーフ的な活躍もあり、異なるテーマがコメディとして自然に結びついているようにも感じた。 同期に対して素直にありがとうと言えない烏森(永田崇人)がサンキューポイントで感謝を示し主題歌が流れるという、鮮やかなラストも含め、第6話は個人的にベスト回に推したい。 【著者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
まっつ