【日本ハム】ドラ6法大・山城航太郎は新庄監督の名言「チャンスは一瞬」体現した遅咲き右腕
新庄監督の名言「努力は一生 本番は1回 チャンスは一瞬」を体現した大型新人は、プロ入り後もワンチャンスをものにする。 日本ハム6位指名の法大・山城航太郎投手(22)が31日、川崎市内の同校で指名あいさつを受けた。「自分の持っているものを取り繕うことなく前面に出して良いと。すごくやりやすい環境なんだなと思いました」。運命のドラフト会議からちょうど1週間後のこの日、気持ちを新たにした。 福岡大大濠出身。同級生は20年ドラフト1位でオリックスに入団した山下舜平大投手(22)だ。遊撃手として法大に入学も「プロに行くにはピッチャーだな」と高校時代に最速149キロをマークしていた投手に専念した。しかし、フォームを崩すなどして130キロ台しか放れないスランプの時期もあり、リーグ戦デビューは3年秋。今春のリーグ戦では3試合で3イニングを投げて防御率0・00も「空振りや三振が全くなかった」。大渕隆GM補佐兼スカウト部長(54)も「1つ1つのボールが良いのは春の時点でもわかっていましたが、まとまりが悪かった」と話したように、評価はそこまで高くはなかったという。 自らを「遅咲き」と語る山城が一瞬のチャンスをつかんだのは、ドラフト直前の4年秋だった。ドラフトで指名を受けるために、今秋リーグ戦へ向けては「フォークとスライダーに磨きをかけて、上(プロ)を目指せるように」と改良に取り組んだ。フォークは法大助監督で元近鉄、楽天の高村祐氏(55)から助言をもらい、スライダーは自ら研究を重ねた。成果は結果に表れ、今秋はここまで5試合13回を投げて2失点、12奪三振、防御率1・38とアピールに成功した。 大渕GM補佐兼スカウト部長も「最後の秋でまとまってきて、早大戦では満塁で登板して、しっかり抑えたり、慶大戦では5回を投げきった。右肩上がりの雰囲気が見えてきたので身体能力も高いですし。プロに入ってもそれに見合った成長が見込めるかなと思いました」と評価を上方修正。続けてきた努力が、大学ラストシーズンという本番で花開き、プロ入りのチャンスをつかむことができた。 プロでもチャンスは逃さない。「絶対に抑えてやる」と物おじしない投球が持ち味で、1年目の目標は「(山下)舜平大も新人王を取ったので、自分も取りたいです」と見据える。「最終的には9回を任せてもらえるようになりたい」。大目標へ、来春から早速熾烈(しれつ)な争いが始まる。早くチャンスをたぐり寄せ、プロでは最初のワンチャンスをものにして、一気に飛躍を目指す。