阿部サダヲ、芦田愛菜から絶賛の声に「太字で書いておいてください」映画『はたらく細胞』インタビュー
永野芽郁と佐藤健がダブル主演を務める映画「はたらく細胞」が、現在大ヒット公開中だ。 【写真を見る】映画『はたらく細胞』で久々に共演する芦田愛菜&阿部サダヲ シリーズ累計1,000万部を突破したメガヒット漫画を実写化した本作。こちらは、人間の健康と命を守るためにはたらく赤血球(永野芽郁)や白血球(好中球)(佐藤健)らの細胞パートと、健康的な生活を送る高校生・漆崎日胡(芦田愛菜)と不規則で不摂生な日々を送る父親・茂(阿部サダヲ)親子の二つの物語を軸に展開される「笑って、泣けて、タメになる」エンターテインメント作品である。 今回は、物語の鍵を握る親子を演じた芦田愛菜と阿部サダヲにインタビューを行った。 ――擬人化された細胞たちが最高にキュートでカッコ良かったのはもちろん、お二人が演じられた親子の物語にも胸が熱くなりました。まずは、事前に準備されたことや、オファーを受けての思いを教えてください。 阿部「衣装合わせのとき、監督から『撮影までにとにかく不摂生をしてください』と言われたんですよ。クランクインする前、ちょうど大阪公演の舞台があったんですけど、大阪だと美味しいものがたくさんあるし、不摂生できるかなと思って...。だから、たくさん不摂生しましたね(笑)。でも、やりすぎると体調良くない感じがしたし、健康的に生活しないといけないな、と身に染みました」 芦田「高校の生物の先生に原作を教えてもらっていたので、もともと漫画は読んでいて」 阿部「そうなんだね」 芦田「『この細胞ってそうだよね。こういうキャラクターだよね』とすごく思いましたし、当時から大好きな作品だったので、そんな映画に参加させていただけるって聞いて、本当に嬉しかったです」 ――芦田さんは高校生の日胡を演じられました 芦田「日胡ちゃんはお父さん思いの女の子。彼女の名前のとおり、『ニコニコ笑顔が魅力的な子なんだろうな』とイメージしながら演じさせていただきました。原作には、人間パートが描かれていないので、原作の雰囲気を壊してしまわないか不安な部分もあったんですけど、でも私たちが人間を演じることで、観ている方が『人間が怪我をしたり、体調を崩したりしたとき、細胞はこうなっているんだな』と想像しやすくなればいいなと思っていました」 阿部「(細胞パートは)想像以上だったね(笑)。『こんなことになっているんだ~』って」 芦田「そうでしたね(笑)」 ――阿部さん演じる茂は不摂生をしまくるお父さんです。彼を演じていると、体への向き合い方が変わるなど、ご自身での変化があったのでは? 阿部「そうですね。『不摂生をするとバチが当たるんだ』というのも分かるし、あれだけの細胞が動いていると思うと大事にしなきゃって思いますよね。擦り傷とか咳をしたとき、細胞たちのことを思い出しますもん(笑)」 芦田「確かに、擦り傷をしたら『ごめんね』と思うようになったり、喉がちょっとイガイガすると『きっとあの形のウイルスが私の体の中にいるんだな』と考えるようになったり、自分の体の中に思いを馳せるようになりました。『もっと体を大事にしなきゃな』という気持ちが高まりましたね」 ――漆崎親子の関係性については、どんなことを思われましたか? 阿部「いい親子ですよね。複雑なわけでもなく。仲の良い親子ですし、意外とストレートな話なので、皆さんも見やすいと思います」 ――物語がシンプルな分、世代を問わない作品なんですね 阿部「そうですね。原作にないストーリーですけど、邪魔をしていない設定だなと思います」 芦田「お父さんと二人三脚で生活をするなかで、お互い『お父さん思い』であり、『娘思い』でもある"絆"が垣間見えるシーンがたくさんあっていいなと思います。親子愛って素敵だなと思いました」 ――永野さんや佐藤さん演じる細胞パートでは、激しいアクションシーンもありました。細胞パートを「やってみたい」と思ったことは? 阿部「もし、細胞の方を演じさせていただけるなら日胡ちゃん側の健康的な細胞役がいいですね。アクションは...なくて大丈夫です(笑)」 芦田「(アクションシーンが)カッコ良かったですし、すごく憧れます。もちろん、細胞のことも想像してお芝居をしていたんですけど、その想像の100倍以上でした。作品を観ても、途中から『あれ?今何の映画を観ているんだっけ?何と何が戦っているんだっけ?』と思うくらい壮絶なアクションシーンがありましたし、『こんなふうに悪い細菌たちをやっつけているんだ』と改めて思いました。でも、あの世界に入ってアクションをするのは...なかなか難しいですね(笑)」 ――原作をご覧になっている分、イメージが膨らんだのではないでしょうか? 芦田「そうですね。細胞パートは原作に忠実でしたし、『そうそう。こんな場面あったな』と思うところもあって、そういった意味でも楽しかったです」 ――阿部さんと芦田さんは久しぶりの共演です。今回、撮影を共にしてみて感じたお互いの尊敬できるところを教えてください 阿部「この作品は、明るいシーンもありますけど、悲しいシーンもあるんです。その悲しいシーンで、(芦田は)一瞬にしてその雰囲気になれるんですよ。リハーサルでもそこまで持っていけるからすごい。昔からそうでしたけど、一瞬でそのシーンに入り込んでしまうので、いつも驚いちゃいますね」 芦田「ありがとうございます。阿部さんは、普段からシリアスもコミカルも両方演じられているじゃないですか。今回だとコミカルなシーンは本当に面白かったですし、シリアスな場面では、すごく娘思いなお父さんが垣間見えるシーンがあって...私はその場面がすごく好きなんです。一人娘への思いがすごく詰まっていて、お父さんの背中を見るだけで気持ちが伝わってくる...。いつも、巧みに演じ分けられるのが素敵だなと思っています」 阿部「嬉しいですね~」 芦田「本当ですよ」 阿部「これは太字で書いておいてください」 ――(笑)。タイトルにかけて「はたらくこと」についてお聞きしたいです。お二人が働く上で大切にされていることを教えてください 阿部「あまり背伸びをせず、等身大でやっていけたらいいなとは思いますけどね。どれだけ役者を長くやっていても、知らないものもたくさんありますし。自分でできる範囲でやりたいなとは思います」 芦田「作品作りっていろんな方が関わってくださるものだと思うんです。自分一人でやっているわけじゃなくて、本当にたくさんの方に支えられているおかげで、今自分がお芝居に熱中できている。そのことはずっと忘れないでいたいなと思っています」 阿部「本当そうだよね」 ――芦田さんは今年で20歳を迎えられました。阿部さんが20歳の頃はどんな青年でしたか? 阿部「...記憶がないです(笑)。(俳優は)22歳から始めているんですけど、20歳はちょうど仕事を辞めていた時期で、ぼーっとしていました。携帯電話もないので、ほとんど喋ってない。だから基本的に寝てましたよね。ずっと天井を見てるみたいな(笑)」 ――その時期があったから今があるということですね 阿部「そうですね。あの頃何も考えていなかったから、今いろいろ考える余地があるなと思います。本当に20歳のときは何もしていなかったと思うな。びっくりしますよ(笑)」 ――芦田さんは20歳になったことで成長を感じる瞬間はございますか? 芦田「お酒を飲めるようになったのは成長を感じるというか。『大人になったんだな』と思います」 阿部「撮影中にもパッチテストをやったみたいな話をしていたもんね。アルコール大丈夫だったの?」 芦田「大丈夫な体でした。飲めます!」 阿部「何を飲むの?」 芦田「じつは、あまり甘いものが好きじゃなくて。レモンサワーとか、ハイボールにチャレンジしてみました」 阿部「いや~。そっか~。ハイボールだってさ!」 ――驚きですね! 芦田「このあいだは、ワインもいただきました」 阿部「すごいね!」 ――ご一緒にお酒を飲んでみたいのでは? 阿部「そうですね。でも、僕が先に酔っぱらっちゃうかも」 芦田「(笑)」 写真・文=浜瀬将樹
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