石炭火力発電容量、昨年は世界で2%増 16年以来の高い伸び=調査
[シンガポール 11日 ロイター] - 米国を拠点とするシンクタンク、グローバル・エネルギー・モニターが11日公表した調査によると、世界の石炭火力発電容量は昨年2%増加し、2016年以降で最高の伸びとなった。中国で石炭火力発電所が新設されたほか、その他地域で稼働停止が遅れていることが背景にある。 年次報告書によると、昨年は世界で70ギガワット(GW)近い石炭火力発電容量が新たに加わった。そのうち中国は47.4GWを占めた。中国以外での石炭火力発電容量も19年以来初めて増加し、石炭火力発電所の稼働停止は世界全体で21.1GW分にとどまった。 執筆者のフローラ・シャンペノワ氏は、15年にパリ協定が採択されて以来、25カ国が石炭火力発電容量を削減したが、35カ国は増加させたと指摘。「エネルギー部門における石炭の役割という点では、世界は正しい方向に向かっているが、十分なスピードではない」とした。 国際エネルギー機関(IEA)の予測によれば、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に抑えるには、石炭発電能力を40年までに世界的に廃止する必要がある。