国民民主・玉木雄一郎氏は“三日天下”なのか…年収の壁「178万円」→「123万円」交渉の舞台裏
国民民主党・玉木雄一郎衆院議員の“突破力”に陰りが見え始めている――。 自民・公明両党は来年度の税制改正大綱で「年収103万円の壁」に関し、“123万円”への引き上げを盛り込むことで合意した。 【写真】立花孝志氏 青山のクラブで美女に囲まれウハウハの夜 納得いかないのは「178万」を主張していた国民民主だ。文言には国民民主に配慮し 《178万円を目指して来年から引き上げる》 と明記されてはいるが、あくまで「目指す」というぼやけた言い回し。空気感からして、とてもとても178万円には届きそうもない。 ◆教育無償化の方針で合意した維新 年収103万円という数字は基礎控除48万円と給与所得控除55万円を足したもの。与党はこれまでの協議で1995年以降に食料や光熱費が上昇したことを踏まえて、それぞれ10万円ずつ引き上げる123万円を提案していた。 財務省の“聖域”ともいえる「年収の壁」にメスを入れたのは、玉木氏率いる国民民主の功績にほかならない。しかし気付けば、自公の「123万円案」で進んでおり、玉木氏は“脇役”に追いやられた。 風向きが変わったのは、12月17日の参院本会議で補正予算案が成立したこと。ここで自公と国民民主だけでなく、日本維新の会も賛成に回った。 「自公と維新が直前に教育無償化の方針で合意したことが決め手になった。維新は衆院選で大敗したが、それでも国民民主の28議席を上回る38議席を持っている。つまり自公の“相棒”は国民民主でなくても足りるということ。国民民主と103万円の壁を議論しつつ、ウラで維新に声をかけていた自民党の狡猾さ、老獪さが出た」(政界関係者) 今後、自公政権はその時々に応じて国民民主や維新、さらには最大野党の立憲民主党とも是々非々で付き合い、政権運営していくと思われる。 全国紙紙政治担当記者は 「弱体化した与党に“上から”いく野党が目立ちましたが、来夏の参院選を見据えると、野党はひとつでも公約を実現したい。結局は自公の顔色をうかがうことになるのではないか」 と警戒する。 「玉木氏もイケイケすぎた」 と話すのは、ある永田町関係者だ。 「今まで蚊帳の外だった政党が一躍、政治の中枢に入った。明らかに玉木氏は浮足だっていました。政界では年収103万円の壁を徐々に引き上げ、どこかで落としどころを探る展開になるものと見ていたが、玉木氏は強気に178万円で押し通そうとした。もう少し(交渉の)テクニックを使えばよかった」(同・永田町関係者) 仮に年収の壁を178万円に引き上げた場合、大都市以上に地方自治体の税収が激減し、場合によっては立ち行かなくなる可能性が出てくる。そうなると、石破茂首相が「一丁目一番地」に掲げる「地方創生」に悪影響を及ぼしかねない。 ◆財務省を臆測で“犯人扱い” 「玉木氏に難色を示していたのは、税金のスペシャリストの呼び声高い宮沢洋一税調会長と石破首相。『地方がおかしくなる』という警戒感からだった」(同・永田町関係者) アテが外れた玉木氏は、自公と維新を急接近させた“仕掛け人”を財務省と断定。12月18日に自身のX(旧ツイッター)で 《もともと、財務省の戦略は ・維新の新体制が発足次第、関係部局が接触 ・当初予算の修正等で盛り込める政策を探る ・国民民主、維新、立民で予算に対する影響が最も『安上がり』の政党と握る ということだったようなので、最近の維新幹部の発言を聞いていると、維新と握る算段がついたということなのでしょうか》 と疑いの目を向けた。これに維新の吉村洋文代表がXで 《103万円の壁突破には賛成の立場です。憶測は控えて頂いた方がよいかと》 と苦言。 《地獄の底まで、本気で腹括ってやる、一緒に178万円目指してやろう、というなら、協議しましょう。但し、パフォーマンスはなしです。僕らも実現したい公約がありますので》 とクギを刺した。前出の全国紙政治部記者は 「103万円の壁をめぐる議論では、序盤から財務省に誹謗中傷が殺到しました。これに玉木氏は会見で『中傷や陰謀論はやめていただいて、データと数字にもとづく建設的議論をしていきたい』とストップをかけた。ところが今回は財務省を臆測で“犯人扱い”している。取り乱している証左ではないか」 と指摘する。 玉木氏はグラビアアイドルとの不倫報道で、来年3月3日までの「3ヵ月役職停止」となっている。一説には女性は政治の世界に興味があり、玉木氏に相談していたという。 「その際にどんな“口約束”をしていたかが、最大の関心事。一部マスコミが女性側に接触を試みている」 とはワイドショー関係者。はたして、玉木氏は“三日天下”で終わってしまうのか――。
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