鈴木金融相、じもとHDの経営計画を「適切に審査」-国の管理下へ
(ブルームバーグ): 公的資金注入先で第二地銀2行を傘下に抱えるじもとホールディングス(本社・仙台市)が、一時国の管理下に置かれる見込みとなったことに関連して、鈴木俊一金融相は21日、提出される予定の経営強化計画の内容を「適切に審査するとともに、着実に実行されるよう引き続きモニタリングをしっかりやっていく」と述べた。
じもとHDは2023年9月、金融機能強化法に基づき公的資金180億円を受け入れたことに伴い、国に対し優先株を発行。同社広報担当者によると、通常は議決権がない優先株だが、発行要項で無配の場合は一時的に議決権が発生すると定めている。発表資料によると、これを含め、同社に計780億円の公的資金が注入されている。
同社は24年3月期決算で235億円の最終損失を計上。広報担当者は、14日の決算発表で、普通株、優先株ともに無配の方針を公表しており、国に計63%程度の議決権が生じる見通しだとした。鈴木金融相は、過去にりそなホールディングスに対して金融危機を防ぐ狙いで実施された実質国有化とは「全く性格を異にするということは、しっかりとおさえなければならない」と強調した。
じもとHDは山形県を地盤とするきらやか銀行と仙台銀行が12年に経営統合して誕生した。
--取材協力:浦中大我.
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Emi Urabe