「悪魔の日記」を追え!元FBI美術犯罪捜査官の事件簿
重要な歴史資料としての「悪魔の日記」
それは、第2次大戦やナチスのイデオロギーについて、網羅的な歴史を論じるものではないが、ホロコーストを計画する際のローゼンベルグの役割について、新たな事実と新しい視点をもたらしてくれる。著者らはこの日記を注意深く研究し、500近い注釈と一次文書や二次的情報源で埋め尽くされた参考文献一覧をつけた。この素晴らしい本によって、歴史家だけではなく一般人もまた、初めて明らかになる重要なアーカイブ的な資料として、歴史とその叙述対象の歴史を知ることとなるだろう。 ロバート・ウィットマン氏の著書の翻訳版は、柏書房より出版されている。「FBI美術捜査官―奪われた名画を追え」(2011)、「The Devil's Diary: Alfred Rosenberg and the Stolen Secrets of the Third Reich」(邦題未定:今夏刊行予定) (記事前編はこちら:世界の文化財が危ない!元「FBI美術捜査官」が語る、美術犯罪の最前線ー) (文・取材:マシュー・コラサ/THE EAST TIMES)