「悪魔の日記」を追え!元FBI美術犯罪捜査官の事件簿
ホロコースト首謀者の日記を探して
ウィットマン氏のこれまで発見した美術品は、レンブラントからピカソまで及ぶ。では、何故それほどドイツの戦争犯罪人による日記が特別なのだろう? 「その日記で本当に興味深かった点は、これまで一度も複写されたことがなかったということです。翻訳もされておらず、その中に何が書かれているのか、誰も知らなかったのです。日記は、1936年から1945年までの500ページで、その時期は、ローゼンベルクがドイツ第三帝国の高官として、多くの個人的会合を行なっていました。ローゼンベルクは、ヨーロッパの美術品窃盗を担当する組織のトップだったことを知っていますか?」 「また彼は、ユダヤ人に対して、ホロコーストという概念を考案した発案者であり、ポーランドやルーマニアといった東ヨーロッパにおけるナチスの事業の責任者でした。そこでは、多くのそのような死があり、彼はその責任者でした。そう、ローゼンベルクは、第二次世界大戦を通してずっと超重要人物であり、絞首刑になったのです」 ローゼンベルクは、戦争中に日記をつけていたナチスの高官の、3人のうちの一人だ。その記録は単なる好奇心ではなく、歴史であり、歴史家たちのヨーロッパ史における暗黒時代のひとつに対する新たな洞察をもたらす、ホロコースト首謀者の詳細な説明であった。
ウィットマン氏は、インタビューで、自身の新しい著書「The Devil's Diary: Alfred Rosenberg and the Stolen Secrets of the Third Reich(仮訳題:悪魔の日記:アルフレート・ローゼンベルクと第三帝国の盗まれた秘密)」で発表した重要な発見を説明してくれた。美術品の再発見の話と、ローゼンベルクの説明から発見されたことを交えながら、歴史的遺物自体の話と、それから分かる歴史を物語る人気作品だ。 ウィットマン氏と共著者であるピューリッツァー賞受賞者のデイビット・キニー氏は、情報に富んだ歴史と、ページをめくる手が止まらないような物語性を結合させた大作を作り上げた。