2年ぶりに贈った父の日アーチ…岡本が復活の2戦連発「練習を怠らないように」教えを胸に春季キャンプで連日居残り
◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム3―3巨人=延長12回=(16日・エスコンフィールド) 【動画】岡本和真2戦連発!逆転の12号2ラン 手応え十分の打球がどこまでも伸びていく。巨人・岡本和真内野手(27)は確信に満ちた表情を浮かべた。一時逆転となる12号2ランは、左翼席上段への特大弾。歓声とどよめきが交錯する中、ダイヤモンドを駆けた。試合は引き分けとなったが、今季2度目の2戦連発で完全復活を告げた。 「打ててよかったです。本当は勝てたらよかったですけど、何とか最後は耐えたと思います」 1点を追う4回1死一塁。2ボールから加藤貴の外角低め120キロのスライダーをかち上げた。左翼手が一歩も動けないほどの圧巻の弾道。15日(エスコン)に14試合ぶりの一発を打ち込んだ後に「続けてやっていけるように、打てるように頑張りたい」と強調していた中で、リーグトップに2差と迫る2試合連続アーチを描いた。4番の復活を願っていた阿部監督は「チームにとっても本人にとっても、とても大きいこと」と目を細めた。 極秘トレが効いている。6月に入ってから快音が出ていない中、14日のフリー打撃後、阿部監督とともにベンチ裏に下がって特訓。バットの出し方や、下半身の使い方を見直した。試合前練習では通常グラウンド内で実施するティー打撃をベンチ裏で、3日連続で行った。2試合続けての快音に二岡ヘッドも「ボールを呼び込んで打てるようになってきた」と、復調を感じ取っている。 父の日に感謝のアーチでもあった。野球を始めた時からよく試合を見に来てくれたという父・義清さんの教えの一つが「練習を怠らないように」だ。不動の4番となった今でも胸に刻まれており、春季キャンプでは連日、誰よりも遅くまで居残りで打ち込んできた。「やることやったらその時間になっただけやから」と謙遜するが、豊富な練習量が豪打の源になっている。 4番に定着した18年以降、父の日の成績は24打数11安打、4割5分8厘、3本塁打。孝行息子らしく今年も感謝の思いをバットに込め、22年以来2年ぶりの父の日弾を打ち込んだ。 交流戦最終戦は引き分けも、14打点はトップタイに浮上。主将らしく視線を上げた。「リーグ戦に戻っても頑張っていきたいと思います」。岡本和が目覚めたことは何よりの好材料。4番が中心になってチームを押し上げる。(宮内 孝太)
報知新聞社