魔よけの「切り綱」求め 鶴岡・出羽三山神社の松例祭
出羽三山神社の「松例祭」が大みそかの31日から1日未明にかけて鶴岡市の羽黒山山頂で行われた。神職や山伏、地元の若者らが「綱まき」「大松明(おおたいまつ)引き」といった神事を繰り広げ、新年の五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全などを祈った。 松例祭は出羽三山の開祖とされる蜂子皇子(はちこのおうじ)が民衆を苦しめていたツツガムシ(悪鬼)に火を放ち、退治したという故事にちなんだ伝統行事。山伏最高位の「松聖(まつひじり)」の2人を主役に、両者が競い合う形でさまざまな神事を行った。 綱まき行事では、時折強く雪が降る中「切り綱」がまかれた。家の軒先に飾ると魔よけになるとされ、大勢の参拝者が手を伸ばして綱を取り合った。国の重要無形民俗文化財で神事のクライマックスとなる「大松明引き」は、31日午後11時ごろから行われた。父の帰省で訪れ、前回も参加した新潟市木戸小2年斎藤百音(もね)さん(8)は「綱を初めて取れた。良い年を迎えたい」と話した。