ブラックストーンが100億ドル規模の買収、不動産投資の機熟すと判断
(ブルームバーグ): 米投資会社ブラックストーンは、賃貸アパートを所有する不動産投資信託(REIT)を約100億ドル(約1兆5200億円)で買収することで合意した。不動産市場に資金を投じる機が熟したとみていることを新たに示すものだ。
8日の発表によると、ブラックストーンはAIRコミュニティーズとして知られるアパートメント・インカムREITを1口当たり39.12ドルの全額現金で取得することに合意した。これは4月5日の終値31.35ドルを25%上回る水準。
ブラックストーンは取得するアパート物件のポートフォリオ維持・強化に向け4億ドル余りを投じる計画。ファンドの「ブラックストーン・リアル・エステート・パートナーズX」が株式を購入する。
ブラックストーンは足元、住宅投資を強化している。1月には、カナダの一戸建て賃貸住宅会社トライコンを35億ドルで買収し、非公開化することで合意していた。商業用不動産市場で価格が下落する中、ブラックストーンは案件獲得に注力しており、同社では「不動産の価値が底打ちしつつある」と考えているとジョン・グレイ社長は投資家に伝えている。
デンバーに本社を置くAIRコミュニティーズは、76の高級賃貸アパートメントコミュニティーから成るポートフォリオを有し、保有資産はマイアミやワシントンなど大規模市場に集中している。
原題:Blackstone $10 Billion Deal Is Latest Bet Property Near Lows (1)(抜粋)
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Patrick Clark