反トランプ共和議員に密着、監督「異見に好奇心を」 トロント映画祭
(一部で正しく表示されなかったため再送します) Atsuko Kitayama [トロント 9日 ロイター] - カナダで開催中の第49回トロント国際映画祭で、米大統領選共和党候補のトランプ前大統領に反旗を翻す同党のアダム・キンジンガー元下院議員にスポットライトを当てたドキュメンタリー「The Last Republican」がワールドプレミア上映された。 2021年1月に起きた米連邦議会襲撃事件でトランプ氏が「レッドライン(超えてはならない一線)」を超えたと非難し、政治生命を賭けてトランプ氏の責任追及に奮闘するキンジンガー氏の姿を追う。キンジンガー氏と政治理念を異にするスティーブ・ピンク監督が制作を手掛けた。 ピンク監督は8日の上映後、ロイターとのインタビューに対し、政治的というよりはむしろ「ヒューマンドラマ」とし、「何らかの結果を伴う厳しい決断を迫られた際、自分の安全地帯から踏み出し、自身の信条に基づいて立ち上がる人間の姿を捉えたかった」と語った。 キンジンガー氏はトランプ氏弾劾決議案に賛成票を投じ、議会襲撃事件を調査する下院特別委員会の委員を務めた。共和党全国委員会は22年にキンジンガー氏に対する非難決議を採択し、「共和党員として支持しない」と表明した。今回の大統領選では、民主党候補のハリス副大統領の支持に回る。 大統領選まで2カ月を切り、米政治の分極化が懸念される中、ピンク監督は「分断して成功する社会も国もない。民主主義を維持するためにどうやって結束できるか探る必要がある」というメッセージを映画に込めたとし、「自分と異なる意見を持つ人に対し好奇心を持てるようになれれば」との想いを伝えた。 (北山敦子 編集:佐々木美和)