家計簿つけるとムダ遣い減り黒字に 「でも面倒...」を解決するたった4つのコツ
年末になると書店に並ぶのがカレンダー、手帳、運勢暦、そして家計簿である。 生活情報誌『サンキュ!』(ベネッセコーポレーション)が22年5月、20~40代の既婚女性約300人に行った調査によると、「家計簿を定期的につけている」と答えた人が57%、「家計簿は不定期につけたりつけなかったりしている」と答えた人が21%で、家計簿をつけている家庭は約8割だった。 家計簿を長く続けられる「4つのポイント」 この調査では、家計簿をつけている家庭とそうでない家庭の「家計黒字率」比較も調べている。家計簿をつけている家庭で、「いつも黒字」と回答しているのが47.3%。家計簿をつけていない家庭で、「いつも黒字」は33.8%。黒字率は家計簿をつけているほうが高い。つまり、家計簿をつけると、家計のやりくりにプラスだという見方だ。 東京証券取引所が運営するウェブサイト『東証マネ部!』が22年10月に全国の20~40代の会社員1111人を対象に行った調査でも同じ傾向がみられる。家計簿をつけたことで、「支出が減った」と答えた人の割合が34.1%だった。 ■長続きさせるには 家計簿をつけるのには多くの利点があるのだが、課題は長続きさせたり、習慣化させたりすることだ。面倒になって、途中で投げ出す人が少なくない。 家計簿を長くつけるためにはコツがある。 三菱UFJニコス(東京都千代田区)のウェブサイト『mycard』によると、「長続きする家計簿のつけ方」は4つ。 (1)家計簿をつける目的を明確にする漠然と家計簿をつけようとしても続かないもの。「貯金するお金を捻出したい」といった具体的な目的があると、モチベーションアップにつながる。 (2)使いやすい家計簿を選び、費用項目はシンプルにする手書きや表計算ソフト、アプリといった自分にあった方法を選ぶ。そして、慣れないうちは費用項目をシンプルにしておくことが大切だ。最初のうちは銀行口座の残高との一致や1円単位のズレなどは気にせず、まずは支出を家計簿につける。 (3)家計簿をつけるタイミングを決める寝る前にまとめてつける、使う度につけるなど、タイミングを決めて習慣化させることが大切。毎日つけるのが難しい場合は、つけ忘れがないように、レシートを取っておいたり、利用履歴が残るキャッシュレス決済を活用したりする。 (4)定期的に見直す支出の増減を見直すことで、改善点を考え、支出が減っていれば達成感を得られる。数字の変化を楽しむと記帳の長続きにつながる。 もっと未来志向の人もいる。横浜市のNPO法人「森のオト」に神前倫代さんが書いている経験が参考になる。 「確かに家計簿をつけることは節約への近道です。でも私は家計簿の一番の役割はお金のストック(残高)とフロー(収入と支出)を把握することだと思っています。我が家では家計簿をもとに『過去』に使ったお金の把握だけでなく、これから先の『未来』へのお金についても把握できるようになりました」 未来への思考。神前さんは「一念発起して税理士資格を取得」した人である。 (リサーチ班 大山雄也)