糖尿病だとトイレが近くなる!?更年期だから仕方ない、と【頻尿】を放置していると、重病サインを見逃すことも!
40~50代になると、これまでよりトイレの回数が増える女性が多くなります。 とくに更年期は、デリケートゾーンや膀胱まわりのトラブルが増えやすい年代です。 【データ】更年期の始まりのサインと気づいた年齢は? しかし、尿の症状には思わぬ病気のサインが隠れていることもあるので注意が必要! そう話すのは、漢方製剤の研究開発を手掛けている碇純子さんです。 今回は「トイレが近い」というお悩みに隠れた病気について、見極め方と対処法を教えていただきます。
Q. 最近トイレが近くなりました。更年期や加齢の影響でしょうか?
確かに、更年期や加齢で尿量が増えるケースは存在します。 更年期は女性ホルモンの分泌量が急激に低下し、尿道の粘膜や周辺組織が萎縮していきます。 尿道の内圧も低下し、頻尿や尿漏れの原因に。 そして、慢性的な頻尿や尿失禁を「過活動膀胱」といいます。 自分の意思とは関係なく膀胱が収縮して尿意をもよおす病気で、自律神経の失調や、加齢による尿道括約筋の衰えなどが原因になります。 しかし、更年期や加齢以外の原因でトイレが近くなることもあるので注意が必要です。
Q. トイレが近くなる病気は他にどのようなものがありますか?
更年期や加齢の影響以外に、尿意を頻繁にもよおす主な原因は、糖尿病、腎機能の低下、尿路感染症、腫瘍、心因性などが挙げられます。 今回はとくに注意しておきたい糖尿病についてご紹介しましょう。 糖尿病は、血液中にブドウ糖が増加した高血糖の状態です。 ブドウ糖が多いと、血液がドロドロとした状態になり、血液循環にも滞りが起こるので、からだはブドウ糖の濃度を下げるために水分で薄めようとします。 そして、のどが渇き、水分を大量に摂取したくなります。 水分と糖は結びつきやすいため、糖が尿中に排出される際に一緒に水分も排出されてしまい、からだの水分がどんどん抜け、脱水状態に。 さらに、水分を求め、尿の回数が増えていきます。 そして、「頻尿」と「多尿」は異なる意味合いを持ちます。 頻尿は、日常生活に支障をきたすと感じるほど排尿回数が多い状態です。一般的に「1日の8回以上の排尿」が頻尿です。 そして、多尿は尿の量自体が多いことをあらわします。成人の場合は「1日の排尿量が体重1kgあたり40ml以上」が基準です。 人は、膀胱の半分くらいの尿がたまると尿意をもよおすので、多尿は頻尿を引き起こす原因になります。