中国の工業部門利益、減少に転じる-海外からの需要低迷が響く
(ブルームバーグ): 中国の工業部門の企業利益は3月に減少した。輸出の低迷とデフレ圧力の継続が響いた。1-3月の予想を上回る経済成長を維持するのは難しいことを示唆している。
国家統計局の27日の発表によると、大企業の3月の工業利益は前年同月比で3.5%減少。1-3月の利益は1兆5100億元(約33兆円)と4.3%増加したが、新型コロナウイルス禍後に見られた回復との比較では伸びが鈍化している。
1ー2月の工業利益は前年同期比10.2%増加していた。3月の減少により、連続増益は7カ月で終止符が打たれた。輸出は3月に予想外に落ち込み、弱い内需を補う助けにはほとんどならなかった。
住宅不況で内需低迷が続く中、工場渡し価格の下落が利益率を圧迫し、工業製品を扱う企業は海外での販売を強化している。ただ、地政学的リスクの高まりがそうした取り組みを難しくする可能性がある。欧米諸国は、中国が国内で過剰生産能力を構築し、製品を海外で不当廉売していると非難。欧州連合(EU)は中国の電気自動車(EV)補助金などに関する調査を実施している。
国家統計局のアナリスト、於衛寧氏は「工業企業の利益は第1四半期に成長の勢いを維持した」ものの、回復はまだ不均衡だと資料で説明。政府は「内需を押し上げ、引き続き各業種の企業の信頼感を向上させ、産業経済の回復の基盤をさらに強化する」とした。
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原題:China Industrial Profits Drop as Demand From Overseas Stalls (1)(抜粋)
--取材協力:Pearl Liu.
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