パリ五輪で話題の競技を映画で楽しむ!『ザ・ブレイキン』に登場する“ジェスチャー”はどんな意味?
パリオリンピックで新種目として追加されたことで、いま世界中から最も注目を集めている競技“ブレイキン”。それを題材にした青春映画『ザ・ブレイキン』が9月13日(金)より公開される。そこで本稿では、本作をより楽しむため、ブレイキンに欠かせない“ジェスチャー”のなかから7つをピックアップして紹介していこう。 【写真を見る】福島あゆみら世界有数のブレイカーたちも出演!白熱のブレイキンバトルをスクリーンで堪能 本作の主人公は、幼いころはブレイキンのパートナーだったものの、ある事故が原因で対立してしまったトレイとベンジーの兄弟。大学進学を目指して勉学に励むトレイとは対照的に、ベンジーはブレイキンで注目される存在となり、父親に反抗して家に寄り付かなくなっていた。ある時、兄弟はブレイキンで決着をつけようとするのだが、その様子がSNSで拡散。2人は世界選手権のイギリス代表の選考会に招待される。代表チーム入りを目指す2人は徐々に関係を修復していくのだが、思わぬ出来事がベンジーを襲うこととなる。 元々ブレイキンは、1970年代にニューヨークのサウスブロンクス地区のアフリカ系アメリカ人やラテン系アメリカ人の若者たちによって発展したストリートダンスのスタイル。DJの音楽に合わせて即興で敵対する相手と交互に踊り、ダンススタイルを競い合うというもので、ギャングが構想をまとめるために武器の代わりにブレイキンを用いたことから発展していったともいわれている。ムーブの最中はお互いに触れてはいけない&言葉を発することがないため、観ている仲間や相手側が様々なジェスチャーを行うことでコミュニケーションをとっていく。 そのひとつが、手のひらを肩よりも高い位置で上下させる「ナイス・ムーブ」。技が決まった時に、自分の仲間をほめる時に行うジェスチャーだ。こうした場を盛り上げるジェスチャーもある一方で、やはり押さえておきたいのは相手を挑発するジェスチャーの数々。まず右拳を左肘に、左拳を右肘につけた状態から両腕を上下に動かす「バイト」は“誰かの技をパクっている”ということを、指を2本立てたり指を折って数えていく「トゥワイス」は、同じ技を2回しているという意味で使われている。 また、技を失敗していることに対し、床を叩いてジャッジにアピールする「クラッシュ」。ピースサインで指を自分の目に向け、いまからやるムーブをちゃんと見ているよう要求する「ルック」。手のひらになにかを書くような動きをし、相手のムーブが即興ではないだろうと指摘する「スタディ」。そして、手のひらを地面に水平にしてひらひらと動かし、“大した技じゃない”と相手を煽り立てる「ソーソー」というジェスチャーも。ちなみに間違ったジェスチャーをしてしまうと相手とトラブルになる可能性があるので、使用の際は注意が必要だ。 これらのジェスチャーを知っておけば、ブレイキンの経験者はもちろんのこと、ブレイキンについてまだよく知らないという人でも、最前線でブレイキンバトルに参加しているような気分を味わうことができ、本作をよりいっそう楽しむことができるだろう。劇中には世界チャンピオン経験者であるカラム・シンとケルビン・クラークをはじめ、福島あゆみやLAGAETといった多くのプロブレイカーたちが次々と登場。彼らの熱気あふれるブレイキンバトルを、スクリーンでその目に焼き付けよう! 文/久保田 和馬