「くやしい…!」隣の空き家の屋根が吹き飛び、自宅が破損…泣き寝入りするしかないパターンとは?【弁護士が解説】
空き家に関心を持つ外国人…近隣トラブルのかたちも変化する!?
ただ一方で、これまで打ち捨てられていた日本の空き家が、外国人の注目を集めているという、興味深い動きもあります。日本に関心を持つ外国人が、地方都市にほぼタダ~超低価格な不動産がたくさんあると知り、購入への意欲を見せているのです。 所有者のない不動産が、管理・活用されるというよい面もある一方で、文化的な摩擦による近隣紛争の発生にも注意が必要ではないでしょうか。 かつての「ムラ社会」的な文化が色濃く残っていた時代は、多少の問題が起きたとしても、地域のコミュニティを通じ、話し合いや譲り合いでマイルドに乗り切ってきた部分がありました。 しかし、そのようなコミュニティが消失し、現代社会の価値観が持ち込まれると、双方の主張が真っ向からぶつかり合うことが増え、シビアな対応がスタンダートになっていきます。「自分が主張しなければ損をする」という状況になれば、摩擦が増えるのは当然ですし、近隣トラブルもこれまで以上に激化するリスクが高まるでしょう。 日本のタワマンも外国人がずいぶん多く購入・入居しており、それに伴う近隣トラブルもしばしば報道されていますが、都心部一等地のごく限られたエリアだけでなく、郊外の一般の住宅から地方都市にまでその状況が伝播していくとしたら、従来の価値観をアップデートしないと、自分の財産も、安定的な住環境も維持できなくなる懸念があるといえます。 (※守秘義務の関係上、実際の事例と変更している部分があります。) 山村法律事務所 代表弁護士 山村暢彦
山村 暢彦