【FANTASTICS八木勇征×JO1白岩瑠姫】「コロナがなければ、今の僕たちはなかった」日本のボーイズグループのこれからを語る
境目があることを忘れちゃうような空間ってすごい素敵だし。絶対そっちの方が楽しいし、得した気分になれると思う
白岩 最近って、よく「ボーイズグループの戦国時代」みたいな言われ方をするじゃないですか。でも、僕ら自身は、誰かが勝ち抜けるんじゃなくて、日本の音楽やダンス業界をみんなで盛り上げていきたいという意識を持って、それぞれが活動している気がします。最近は歌番組でコラボができたり、以前よりも、クロスオーバーな関係性が築けていけている実感もあるし。 デビューしたときからずっと、パイオニアになりたいと思っていました。男性がメイクすることも、今までにない感じの衣装も、いわゆるJKポップというジャンルの楽曲も……。どんどん新しいことに挑戦してきた自負が、僕らにはあります。視聴者を巻き込んでいくオーディション番組から生まれたグループとして、少しでも、新しい風を吹かせることができているとすれば嬉しいですし、これからもどんどんパイオニアとして、道を切り開いていきたいです。 デビューから3年。グループの関係性がどんどん良くなっていて、今はライブごとに、自分たちの最高値を更新している感じがあります。でも、デビューして最初の約2年は、有観客でのライブができなくて、ずっとスタジオにこもって過ごしていて……。1日8時間とか10時間とかたくさん練習しても、ステージに立てない。何のためにオーディションを受けたんだろうとも思ったし、「本当にデビューしたのかな?」とまで思えてしまうほど、正直つらい時期でした。他のアーティストさんとの共演もなければ、コラボなんて夢のまた夢。初めてJAM(JO1のファンネーム)を目の前にしたステージに立つまでは、本音を言えば、心が折れかけていました……。 そんな中、唯一救いだったのが、JAMの皆さんからの反応でした。YouTubeにMVが公開されたときに書き込まれるコメントとか、出させていただく雑誌への反響とか。とにかく、JAMの皆さんの声援だけが救いでした。 本当に、コロナ禍の時期はめちゃくちゃ苦しかった。でも、今となってはあの頃も大事な時期だったって思うんです。あの時にみんなでスタジオにこもってたくさん練習できたから、パフォーマンスのクオリティも上がったし、この道でやっていく覚悟も生まれた。神様が、「お前たちはまだ鍛錬すべき時期なんだ」って言ってくれてたんじゃないかとさえ思いますね。 今年のツアーから、初めてお客さんの声出しがOKになったんですが、歓声って、あんなに僕らに力をくれるものなんですね。その有り難みがわかったことも、貴重な経験でした。JAMの皆さんからの生の声が聞こえると、すごく元気になるし、愛を感じます。リハのときとかは、怪我しないようにパワーをセーブするんだけど、本番になると、みんなの声や笑顔を見て、もうコントロールが利かなくなる(笑)。それがすごく楽しくて、みんなのおかげで、僕らは自分が本来持つパワー以上のものが出せてるし、回を重ねるごとに、僕自身がどんどん楽しくなってきています(笑)。
ライブには、毎回、「これが最後のステージだ!」っていうぐらいの全力で挑みます。 でも、その根本にあるのは「楽しくやろう」っていう精神 ----------- Photo:Kodai Ikemitsu(BE NATURAL) Styling:Masanori Takahashi Hair&Make-up:Midori Fukuda(Luana/YUSEI), Mika Sasaki(RUKI) Composition:Nirai Ikeshiro Interview&Text:Yoko Kikuchi Cooperation: BACKGROUNDS FACTORY, PROPS NOW
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