NY連銀総裁、トランプ政策を経済予測に加味-「不確実性」強調
(ブルームバーグ): 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、トランプ次期米大統領が提案している政策を自身の経済予測に織り込み始めたことを明らかにした。金融政策は来年の不確実性に十分対応できるとも述べた。
「私個人の予測として、財政や移民といった政策に関する考えをいくらか織り込んだ。これらの要素は経済の先行きを考える上で重要だからだ」とウィリアムズ総裁は20日、経済専門局CNBCとのインタビューで話した。「不確実性が著しいことをただ強調しておきたい」と続けた。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は18日、一部の政策当局者が財政政策の潜在的変化を予備的に織り込み始めたと述べていた。
18日に発表された最新のFOMC経済予測では、2025年に政策金利が2回引き下げられるというのが中央値となった。9月の時点では4回だった。この予測は来年末時点でのインフレ率予想が引き上げられたことを反映している。
ウィリアムズ総裁がCNBCで話す直前に明らかになった11月の米個人消費支出(PCE)統計では、FRBがインフレ指標として重視するPCEコア価格指数がエコノミスト予想を下回った。同指数は前月比0.1%上昇し、5月以来の低い伸びだった。
最新のインフレデータについて、ウィリアムズ総裁は「心強い」と語った。当局が目指す2%への道は起伏が激しいが、金融政策は適切だと指摘。当局のスタンスを「いくらか抑制的」と表現した。
年末の翌日物レポ取引市場では、9月末と同様のボラティリティー(変動性)が起きる可能性が高いともウィリアムズ総裁は指摘。「年末の資金手当が円滑に行われ、不測の事態に見舞われないよう体制は整っている」と述べ、金融システムには潤沢な流動性があると強調した。
原題:Fed’s Williams Incorporated Some Trump Policies in 2025 Forecast(抜粋)