早くも決勝弾3発! ハマの主砲・筒香嘉智インタビュー「試合に出る喜びも、力をくれる応援も、当たり前のことじゃない」
――その復帰戦で決勝の逆転スリーラン。以降3本のホームランすべてが決勝弾(5月27日現在)と、まだ本調子ではないにもかかわらず勝負強さはさすがです。 筒香 いえいえ。そんなことはないですよ(笑)。でもバッティングが戻ってきていない中で、結果を残せたことは僕にとっても大きかったですし、なぜ打てたのかと考えると、やっぱりファンの方の力が大きかったんだと痛感しています。この2年は、ほぼマイナーの環境で試合をしていましたから。 こんなにたくさんの人たちが球場に来て、応援してくれる。当たり前のことじゃないですよ。本当にありがたいですし、力をくれるものだと再認識しましたね。 ――お立ち台でも、ファンへの感謝の言葉に終始しました。かつての十八番だった「感触は?」「普通です」のやりとりもなかったですが、「普通」と言えるまでの状態になるのはまだ先ですか。 筒香 徐々に調子は上がっていますが、日本の投手と海外の投手ではやっぱり違いがあって。間合いの部分では昔の感覚に戻しながら、スイングはこの5年間でつくってきたものをマッチさせようと、日々微調整しているところです。 頭ではわかっていても、これまで体に染み込ませてきたものがあるので、無意識に反応してしまう難しさがあります。あとは慣らしていくだけなんですけどね。 ■アメリカで感じた強いチームの共通点 ――ベイスターズでプレーしていた筒香選手をリアルタイムでは「知らない世代」の選手やファンも出てきています。今回の復帰は、TBS時代~DeNA初期のベイスターズと今の歴史をつなぐ意味でも大きな出来事ですね。 筒香 いえいえいえ、そんな大きなことができるような人間じゃないですよ(笑)。ただ僕が入団した頃の、勝てなくてスタンドもガラガラだった時代から、DeNAになって球団の方たちの努力でファンの皆さんが増えていく過程も見てきました。それも当たり前のことではなかったですし、毎試合満員の球場で試合ができる喜びも教えてもらえました。 ――入団会見では村田修一さん(現千葉ロッテ打撃コーチ)の名前も出ましたね。 筒香 僕にとって背番号25は村田さんなんです(筒香は2012年から背番号25を背負い、復帰後も継続)。横浜高校の頃に何度も見に来たスタジアムで、本当のプロの4番打者の姿を見せてくれたのが村田さんでした。 復帰するときも連絡をいただきましたが、村田さんの名前を汚さないようにと思ってきましたし、今でも「村田さんみたいになりたい」と思っていますから。 ――今のチームに合流して、5年前と違いは感じますか? 筒香 一緒にやっていたメンバーも残っているので、同じように感じるところもあり、新しい空気も感じます。雰囲気はいいですね(笑)。ただのノリみたいなものじゃなくて、勢いを出せる要素がたくさんあるように思います。 ――現キャプテンの牧秀悟選手をはじめ、新しい選手ともすんなりなじめたようですね。 筒香 牧くんはチームの雰囲気を考えながら、周りを非常によく見られる選手だと思います。あとは、僕がいた頃からいる若い選手たちがめちゃくちゃ成長しているんですよね。勝手ながら僕の目には、ひとりひとりの〝奥行き〟が深くなったように見えますし、勝ちたいという意識の高さも以前より感じています。