「経済の歯車を回すため、国民所得の倍増を」加藤勝信氏が訴える景気対策の根幹は?
賃上げを起点とした国民所得倍増計画で、歯車を加速
ところで、所得倍増計画というと、池田勇人内閣が、国内の公共事業の増加など、仕事を増やして企業活動を活性化させた政策を思い起こさせます。 加藤氏の「所得倍増計画」は、あくまでも「賃上げを起点にしていく」ものです。そのためには、企業の設備投資の活性化も必要だと、加藤氏は説きます。 加藤勝信氏「設備投資をしないうちに老朽化してしまい、日本の設備の平均寿命を比べると一番高い。逆にすれば、最新のものにすればそれだけ生産性が上がる。そういうチャンスはある。歯車を回し始めたら結果が出てくると思います」 経済成長と所得の向上についてはほかの候補も訴えますが、政治として歯車を動かすためにも、驚きのある明確な数字を伝える必要があるとし、 「勇気を持って2倍という数字を明確にさせていただいた」と語ります。 加藤氏の所得倍増計画における政策プランは次の3点にまとめられます。 ・賃上げ税制政策 ・成長のための投資促進 ・労働分配率の引き上げ これらをどうやって実現するのでしょう。 まず、内部留保するよりは賃上げや設備投資に向けたほうがいいと思える状況を作る税制改正を行います。 加藤氏は、これまで賃上げにかけた費用に最大3割返していたのを5割に引き上げることや、中小企業の欠損金の繰り延べなどの制度をより使いやすく変更していくことができると説明します。 また、法定価格で縛られている診療報酬や介護報酬などの引き上げが生む賃上げにも注目します。 加藤氏「国がまずやるべきこととして、教育や介護、保育、医療。働く人の6人に1人がこの業界。この業界の5%の賃上げを実現することで、所得倍増計画が広がっていく」 現在、日本の最低賃金は世界の半分以下の水準です。政府が掲げる2030年半ばに1500円にしようとする目標をできるだけ前倒しし、2000円の水準を目指します。 加藤氏「ぐっと最初の歯車を回すことで、循環が始まっていき、上昇する姿を示していく」 加藤氏は「自己株買いなら、賃上げとか国内に使ってほしいよと思うじゃないですか」と、徹底して、企業の投資のインセンティブを刺激する方向を示します。