小池新都知事誕生で起こせるか 目玉政策に挙げた東京“無電柱革命”
7月31日に投開票された東京都知事選挙は小池百合子候補が当選しました。初の女性知事誕生を期待する声もありますが、都政には待機児童・高齢者問題、築地市場移転、東京五輪など課題が山積みです。各候補者もこれらには言及していましたが、小池百合子新都知事の独自色として打ち出されていた政策のひとつが、”無電柱化の推進“です。 小池新都知事は国会議員時代から無電柱化に積極的に取り組み、著書『無電柱革命』という本を出版しているほどです。小池新都知事の誕生で加速することが予想される無電柱化。東京都の現状はどうなっているのでしょうか?
かつて、電柱は高度経済成長の象徴でしたが…
戦後、都は都市の発展に伴い、多くの電柱が立てられてきました。電柱があちこちに立つ風景は高度経済成長の象徴でもありましたが、時代とともに都市景観を損なっているとの指摘もされています。さらに、阪神・淡路大震災などで電柱が倒壊して家屋や道路を損傷したり、倒壊した電柱が道路を塞いで緊急車両が通行できなくなったりする事態も起きました。 無電柱化を推進する意義は、大きく3つあります。ひとつは、近年になって東京でも想定されている大規模地震への対応策として都市の防災機能を強化すること。2つ目は、歩行者は当然のことながら、ベビーカーや車いすでも移動しやすい空間を確保すること。3つ目が、電柱や電線をなくすことで都市景観を向上させることです。 1986(昭和61)年から開始された都の無電柱化計画は、7期目に入っています。進捗状況は、どうなっているのでしょうか? 「2014(平成26)年度末時点で、都が整備対象としている道路は約2328キロメートルあります。そのうち整備済は859キロメートル、地中化率は37%になっています。山の手通りの内側はセンターコアと呼ばれる重点地域になっていますが、センターコアの地中化率は90%に達しています。都では無電柱化をスピードアップさせて、2020年の五輪開幕までにセンターコアおよび競技会場周辺の都道と交通の要衝でもある環状7号線の無電柱化を目標にしています。」(都建設局道路管理部調整担当課)