<僕のヒーローアカデミア>トガ VS お茶子、声優・福圓美里と佐倉綾音の熱演が話題に「圧倒される」「泣きすぎてやばい」
堀越耕平による大人気コミックを原作としたTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第158話が10月5日に放送された。トゥワイスに変身したトガヒミコの無限増殖によって、ヒーローたちが追い込まれる中、麗日お茶子がトガに寄り添おうと懸命に言葉を投げかける。トガを演じる福圓美里とお茶子を演じる佐倉綾音の魂がぶつかり合うかのような熱演が話題を呼んだ。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】お茶子と対峙する、半面トゥワイスのトガヒミコ(ほか、第158話場面カット) ■「僕のヒーローアカデミア」 本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2014年32号から10年にわたり連載された堀越耕平による人気コミックを原作としたアニメ作品。総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、“無個性”の少年・緑谷出久(通称:デク、CV:山下大輝)が、憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトの“個性”を受け継ぎ、名だたるヒーローを多く輩出する雄英高校のクラスメイトたちと共に最高のヒーローを目指していく物語だ。 “ヒロアカ”の愛称で親しまれ、原作漫画は最新41巻まででシリーズ世界累計発行部数が1億部を突破。現在テレビアニメ第7期が放送中、さらに劇場版第4作「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」が公開中となっている。 ■少女たった一人の気持ちが世界を変えていく 轟家全員が“荼毘”こと長男の燈矢(CV:下野紘)と向きあったことで、超高圧熱爆発は免れる。しかし、トガヒミコ(CV:福圓美里)がトゥワイスに「変身」した自分を増やし続けており、ヒーローたちは為す術を失っていた。 そんな中で、トガと対峙する麗日お茶子(CV:佐倉綾音)。トガを理解しようとその気持ちに寄り添う言葉をかけるが、トガは「あなたが私の何を知ってるの!?」と怒りをあらわにする。お茶子を拒絶しつつも、過去の出来事が頭を巡る――。 他者の血液を摂取することで、その人の姿に変身できる“個性”を持つトガ。ただ、元から故意に相手を傷つけていたわけではない。「好きなものになりたい=その人に変身したい」という気持ちゆえに血を摂取していたのだが、その行為に対し両親や周りの大人たちは「普通じゃない」という烙印を押し、無理やり矯正しようとしてきた。 その中で、トガがようやく手に入れた居場所が、敵(ヴィラン)連合だったのだ。死柄木弔(CV:内山昂輝)たちといるときだけはトガヒミコとして自分らしく生きることができた。けれど、ヒーロー側は自分たちの価値観でその居場所を奪い、仲間の命まで奪っていく。だったらそれに抵抗し、ヒーローを殲滅するしかない。 「生存競争なんだよ、これはもう!」と叫ぶトガ。お茶子にナイフを突き刺して致命傷を与えた上、更なる無限増殖を続けていく。増殖したトゥワイスの渦が地上を呑み込んでいく光景は、現地を取材するアナウンサーが「世代を追うごとに強くなっていく“個性”はいずれ制御不可能になるという「終末論」を思い起こさずにはいられない」と口にするほど絶望的だった。 ■佐倉綾音と福圓美里の魂のぶつかり合いに視聴者号泣 世界は少女たった一人の気持ち(=エゴ)で変えられてしまう。だが、その少女を止めるのもまた、少女のエゴだった。 トガに刺され、致命傷を負いながらもお茶子は言葉を尽くすことをやめない。笑顔で人を傷つけるトガを理解できず、一度は突き放してしまったことを後悔し、今度は少しでも歩み寄りたいと願うお茶子。そんな自分の言動がエゴだと認めた上で、「私はあなたの笑顔を見なかった事にはしたくない!」「まだ少しでも私と話してくれる気持ちがあるなら血なんて一生くれてやる! 」と涙ながらに訴える。 その瞬間、映し出されるのは小さなお茶子がトガに腕を差し出すビジョン。もっと早くにお茶子に出会えていたら、トガが人を傷つけることはなかったかもしれない。だけど、もう遅い…と普通なら切り捨ててしまうところをお茶子は諦めずに向き合おうとしてきた。 そんなお茶子のエゴが奇跡を起こす。本来、お茶子が持つ「無重力(ゼログラビティ)」は指先で触れたものを無重力状態にする“個性”で、無重力化できる重さは約3トンが限界だった。だが、その“個性”が覚醒し、自身が触れていないものにまでその効果が伝播していく。 トゥワイスの分身体やヒーローまでもが宙に浮いていくと同時に、トガの心もお茶子の言葉によって軽くなるようだった。戦場とは思えないほどに幻想的な光景をバックに、自分が思ってきたことをお茶子に語り始めるトガ。ヒーローと敵(ヴィラン)という立場を超え、普通の女の子同士の友達みたいに恋バナをする二人の姿に自然と涙が溢れてきた。最後は笑顔を浮かべて「私……カァイイ?」と尋ねるトガに、お茶子が「世界一」と答える。 壮大なストーリー展開や作画の美しさもさることながら、佐倉綾音と福圓美里の魂がぶつかり合うかのような熱演が観る人の心を震わせた第158話。視聴者からは「トガちゃんの笑顔は世界一カァイイよ」「漫画も良かったけどアニメだとお茶子の“個性”覚醒が綺麗ですごかった」「泣きすぎて頭いたい」「原作を知っていても思わず息を呑むほど圧倒される演技だった」と大反響を呼んでいる。 ■文/苫とり子