ボッシュ、JCIの空調事業を1兆2000億円で買収 日立は家庭用空調機製造から撤退 「白くまくん」は継続
独ロバート・ボッシュは23日、米ジョンソンコントロールズインターナショナル(JCI)が持つ住宅・小規模商業施設向けのHVAC(暖房・換気・空調)事業を買収すると発表した。買収価格は80億㌦(約1兆2千億円)で、ボッシュとして過去最大規模の買収という。この一環として日立製作所とJCIの合弁であるジョンソンコントロールズ日立空調(デビッド・W・バジンスキー最高経営責任者、東京都港区)も取得する。 日立製作所も同日、ジョンソンコントロールズ日立空調の株式持ち分40%の売却に伴い、家庭用空調機の製造から撤退すると発表した。栃木市の工場はボッシュ傘下に移る。売却価額は約1950億円。日立の家庭用エアコンの商標である「白くまくん」は維持し、国内でのグループ会社による販売などは続ける。 ボッシュが買収を予定しているJCIのHVAC事業は、2023年度の売上高が約40億ユーロ(約6800億円)、世界30カ国以上に16の製造拠点と12のエンジニアリング拠点を持つ。買収後は、ボッシュのエネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクターに統合することを計画している。 ボッシュは、技術の進歩や気候変動の影響などもあり、世界のHVAC市場は高い成長が続くとみている。特に新興国などでもニーズが広がっている。シュテファン・ハルトゥング取締役会会長は「将来、有望なHVAC市場のグローバルリーダーとしての地位を確立する。米国やアジアでの市場プレゼンスを向上させる」としている。